「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。
41通目/安田からの返信
「それこそ人間蔑視です」
変えられないと認めることがそんなに酷いことですか。人間の能力の蔑視とまで言われるとは驚きですね。合わない職場に入ってしまう。合わない人と結婚してしまう。そんなことは普通に起こり得ることですよ。その時に職場や伴侶を変えちゃいけないってことですか。どんな職場でも、どんな相手とでも、自分が変わればやっていけると。それこそ人間蔑視ではないでしょうか。人間というのはよくできています。心が「嫌だ」と拒否するとき、そのアンテナは往往にして正しい。そもそも誰と結婚しても、どんな職場に入っても自分次第だと言うのなら、結婚も仕事もおみくじで決めればいいじゃないですか。
前回40通目/大野「それは、人間の能力の蔑視以外の何ものでもない」
はっきりさせなければならないのは、未来はどこから未来で今はどこにあるのか?です。
そして、死ぬまで逃れられないものは何か?です。
職場を変える。伴侶を変える。しかし、それらを変えた所で決して逃れられないのが自分。
コーチ駆け出しの頃、日々ベストを尽くす、これが自分のモットーでした。数年前は日々ベストを尽くすことを楽しむ、と変わりました。しかし、何か本質との距離を感じていた。最近、日々ベストを尽くすことを楽しむ自分を創り上げる、と置いて完全に本質と寄り添えた感じを得ました。
そんな過程を生きて、それでも未来や結果を変えられないという人生観をすヽめるとすれば、それは人間の能力の蔑視以外の何ものでもない。
ー大野より
前々回39通目/安田「ハッキリさせましょう」
ということは「朝起きたら別の人間になっていた」という“結果に至る過程”は変えることが出来るってことですよね。それはつまり「結果を変えられる」ってこととイコールじゃないですか。にも関わらず「変えられるのは過程だけで、結果は変えられない」なんて矛盾してます。もうそろそろハッキリさせましょう。人生には変えられないものがある。これが事実じゃないですか。「いや、過程は変えられる」とか言ったって、結果は変えられないわけですよね。なら変えられないでいいじゃないですか。変えられないものを無理に変える必要などないし、変えられないことに対して悩む必要もない。あるものを受け入れてその生かし方を考えればいいのです。
ー安田佳生より
交換日記をする二人
●火曜日
安田佳生(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto. com
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/