人間交換日記 73通目「一瞬で変わるもの」安田

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


73通目/安田からの返信
「一瞬で変わるもの」

赤を意識すれば赤いものが目に飛び込んでくる。丸いものを意識すれば丸いものが目に飛び込んでくる。それをカラーバス効果と呼ぶそうです。人は自分が意識したものを優先的に見るようにできているのです。だとしたらその影響を最も強く受けるのは「自分の見え方」でしょう。自分はどのような人間なのか。それは自分が何を意識しているかで変わる。何を見たいのか。あるいは何を見たくないのか。思いが強ければ強いほどそう見えてしまう。それしか見えなくなってしまう。ということは、意識を変えれば「私はどのような人間なのか」も変わるということ。一瞬にして自分が変わるとはこういうことなのかもしれません。

前回72通目/大野「何を信じることが自分の人生を豊かにするのだろうか?という問いが成り立つ背景がこことにあると思う」

安田さんへ

なぜこの世に生を受け、何の為に生きるのか?その問いから目を逸らさずに向き合う事が生きる目的とは言い得て妙です。何故なら、誰も正解など知りえない問いだから。
どうせり知り得ないならこのタイトルの問いが成り立つ。僕は特定の宗教の信者ではないですが、神と呼んでもいいし、畏敬の念と呼んでも、大いなるものと呼んでも構いません。そもそも、自分で言っておいて何ですけど、無宗教と言っても無宗教というものを信仰している。大袈裟にいえば、自分が何を信じて生きてしまっているか?は気をつけないといけない。それが定められた戒律や教えではないだけで、人生観、即ち、人生をどの様な色目眼で観ているかを形成しているのですから。

ー大野より

 

前々回71通目/安田「偶然なんてあり得ない」

大野さんへ

人間の体もそうです。よくもまあこんなに繊細に、そしてこんなに完璧にできてると感心します。眠っただけで回復し少しずつ老いてゆく体。70〜80年という絶妙な寿命。心を病むと胃に穴が空くという不思議な現象。どれを取っても不思議なことばかり。ガラクタが偶然ボーイング747にはならないように偶然人間ができたとは思えない。何らかの意図を持って誰かがつくった。そうとしか考えられないし、そう考えないほうがよほど非科学的だと思います。ただ私はそれを「神」という言葉で片付けたくはありません。何らかの意図もしくは意志がそこにはある。ではどんな意図・意志なのか。それを考えることが生きる目的なのかもしれません。

ー安田佳生より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto. com
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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