「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。
77通目/安田からの返信
「中身とは何か?」
結婚や年齢は目に見える形でしかなく、愛や心は目に見えないけど本質である。私はもういい歳ですし、素直な性格だし、科学万能だとも思っていませんので、仰ることはよく分かります。でもきっと多くの人たちには分かりにくいと思います。何となくごまかされている感じ。なんか怪しい。というのが本音でしょう。そういう人に説明するときに大野さんは何と答えていますか。中身って一体何なの?って聞かれたら。心とは肉体とは別の存在なのか。それとも肉体の一部なのか。愛は脳みその電気信号に過ぎないのか。愛とか心って人間が定義しているだけで本当は無いものなのか。それとも人間の定義などとは関係なく、確かにあるものなのでしょうか。
前回76通目/大野「オノ・ヨーコの答え」
オノ・ヨーコがジョン・レノンとの時間の90%を共に過ごした後で、彼を失った生活にどうやって耐えられたのかと質問された時、彼女は「今、私と彼は自分たちの時間の100%を共有している」と答えました。肉眼に映るのは形。本質は中身。結婚は形。愛が中身。年齢は形。心が中身。小学生の時、僕は音楽が大好きでしたが、成績はできの悪い生徒でした。所がもし、先生の頭の中に成績は悪いけれど、音楽が大好きな生徒というカテゴリーがなかったらどうなるか?僕は打ちのめされていた事でしょう。幸いにも、その先生はそうではありませんでしたが、僕たちはともすると、過去に起こった体験に未来の指揮を任せっぱなしにしてしまうのです。
ー大野より
前々回75通目/安田「あるものしか使えない」
空気とか重力とかに感謝して、そこから恵みを受け取る。これってなかなか理解しがたいことですよね。だって別に感謝しなくても空気はそこにあるし、使い放題だし、重力から見放されることもないし。だけどちゃんと丁寧に生きている人にはその意味が理解できます。じつは空気は意識しないときちんと身体に入ってこない。だんだんと呼吸が浅くなって苦しくなっていく。重力を意識しない人は身体のバランスが悪い。だからあちこちが痛くなる。でも空気や重力はまだマシ。だって科学的に「ある」と判断されてるから。もっと重要なのは「ない」と思い込んでいるもの。愛とか心とか感謝とか。ないと思い込んでいる人は永遠にその恩恵を受けられない。
ー安田佳生より
交換日記をする二人
●火曜日
安田佳生(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto. com
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/