人間交換日記 168通目「そして、知らない事、自覚できないことに感謝はできない」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


168通目/大野からの返信
「そして、知らない事、自覚できないことに感謝はできない」

仰る通りですね。山にこもって、明けても暮れても自己認識を自分一人で、例えば瞑想みたいな事をし続けて試みたとしても、一切発明できないでしょうね。つまり僕たちは、他者と交わって初めて己を知る事ができるようです。安田さんの言葉でいえば、旅に出て初めて分かる。人間は眠るってことは知っていたとしても、自分がいつ眠ったのか?を自分で知る術を僕たちは知りませんし、心臓は、基本的には何の励ましも命令も特に受けずに、ずっと鼓動しています。要は知っている様でいて知らないこと、自覚している様でいて、からっきし自覚されていないことは考えればキリがありません。そして、知らない事、自覚できないことに感謝はできない。

前回167通目/安田「青い鳥はそこにいるけど」

大野さんへ

幸せの青い鳥みたいですね。お金とか、名誉とか、知名度とか、いろいろ手に入れてみたけど何かが違う。やっても、やっても、心が満たされない。本当に欲しかったものは最初からあった。家族と過ごす時間とか。変わらない日常とか。健康的な普通の身体とか。この歳になれば「人生の意味や価値」というものが分かってきます。しかし、それでもなお難しいのです。目の前にあるもので満足するということが。幸せの青い鳥は最初からそこにいる。でもそれは旅に出たから分かることです。いろんなものを失って、いろんな人を傷つけて、自分自身もボロボロになって、やっと分かること。きっと人生とはそういうものなんでしょうね。

ー安田佳生より

 

前々回166通目/大野「お金の多寡によってコロリと変わるようなものだったら、それはまがい物」

安田さんへ

本心の目標、これは重要ですね。本人すら気づかないままに建前の目標に向かって生きるケースってありますものね。でも実は裏っ側で本音の目標がその建前の目標達成を阻害する。本人に気づいてもらいたいから。そういう意味では、自己認識する努力はかなり重要だと思われます。そして、何があなたにとって一番大切か?という問いと向き合い、その答えが何であれ日々それを大切に生きる事こそが、キラキラの源になる。幼稚園生でも言える好きとか嫌いが大事。でもその好きや嫌いのレベルが、例えばお金の多寡によってコロリと変わるようなものだったら、それはまがい物。もっと普遍的なその人が生まれながらに持っている在り様みたいなレベルの話。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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