第34回 お客様の出口を決める
【営業ごとにクセがある】
私は対企業向けの「ソリューション営業」をしていました。
無形のサービスを商材にするセールスにおいては、
担当セールスによってお客様のタイプが違う
というのに気づくと思います。
確かにセールス担当とお客様のタイプってあると思います。
「あの人のお客様は、細かいタイプだよね」
「いつも同じクレームばかり起こしてるよね」
「お客様と長い付き合いしているよね」
何気なく言葉にしているものの、
どの会社でも、昔から言われていることでしょう。
もちろん、私自身も得意・不得意なお客様タイプがありました。
【違和感のあるお客様とともに】
マネージャーになったときに壁に感じたことは、
自分自身なんとなく違和感を感じるお客様とも、
メンバーとともにお付き合いしなければいけないことです。
それまでのように、
タイプの合うお客様とだけ付き合うわけにはいきません。
なぜなら、自分の楽なところにだけ力を入れるのは、
成果は出るかもしれませんが、メンバーが育たないからです。
どのようにして、お客様と付き合うか。
いやな態度のまま付き合っていては、
お客様もメンバーにもフラストレーションがたまります。
仕事もうまくいきません。
その時私の助けとなったのは、「期間」でした。
【変化のないもの】
同じサービスの購入者でも、
お客様によって目的とするところは全然違います。
上司はすぐに「自社サービス導入の理由は?」と聞きますが、
なんとなくの印象なんて、まったくあてになりません。
なぜならお客様もメンバーも都合の良い解釈をして、
その時の話の内容によって、言葉が変化するからです。
お客様と自分たちで、変化のないものを共有する。
マネジメントをするうえで大きなテーマとなり、
それが、私にとって「期間」でした。
それからお客様と話をする際に、必ず期間を設定するようにしました。
【動機の出口を設定しよう】
サービスを導入する場合、
発注側にはなんらかの解決したい課題が存在します。
今すぐ解決したい課題なのか、3年後を見据えてなのか、
そして、この提供サービスは課題解決のどの部分を担うのか。
期間設定とは、その解決したい課題(出口)に対して、
共通のものさしを設定することです。
また、自分都合の納品スケジュールの合意ではなく、
相手の目的に対して、スケジュールを共有するようにしました。
つまり、相手の動機に期間を設定し、共有したのです。
そうすることで、いろんなタイプのお客様とも、
共通のものさしをつくり、目標を一致させることができ、
スムーズに仕事をすることができるようになりました。
自社サービスの出口を説明するのではなく、
お客様の動機の出口を期間設定してあげる。
実は、見過ごされがちな営業ノウハウです。