第34回 年功序列の終焉で変わるキャリアの常識

この対談について

大阪・兵庫を中心に展開する、高価買取・激安販売がモットーの『電材買取センター』。​​創業者である株式会社フジデン代表・藤村泰宏さんの経営に対する想いや人生観に安田佳生が迫ります。

第34回 年功序列の終焉で変わるキャリアの常識

安田

前回のお話では、企業はどんどん給料を上げていかないといけないということでした。働く人の立場で見ると、特にスキルを上げなくても給料が増えていくわけで、嬉しいことだと思うんです。とはいえどこまでも上がり続けるわけじゃないでしょう?


藤村

まぁそれはそうでしょうね。

安田

例えば年齢で考えたら、20代は若くて体力もあるし、伸びしろもあるから企業としては積極的に採用したい。ただそこから50代まで給料が上がり続けるかというと、難しい気がして。


藤村

そうですね。銀行の人と話してても、そんな話はよく出ますね。若い人の給料が手厚くなっていって、支店長クラスにその分のしわ寄せが来ているというような。

安田

ああ、やっぱりそうですか。今までは50代半ばくらいまでは右肩上がりでいけたけたわけですが、それは20代とかの若手の給料を低めに抑えていたから可能だった。20代に高い給料を払わなければならなくなったら、当然成り立たなくなりますよ。


藤村

そうなんでしょうね。昔は年功序列が当たり前でしたけど、もうそんなことはなくなってますし。

安田

それがさらに加速するんでしょうね。年収は30代半ばくらいでストップして、そこからはずっと横ばいにするしかないというか。逆に今50代の人は上がりきってるからラッキーなのかもしれませんけど。


藤村

なんだか時代がぐっと動いた感じがしますね。都銀が初任給30万円になって、これからどこまで上がっていくんだろうと興味があります。

安田

相当上がるでしょう。金融業界全体で人材確保が厳しくなってますから、メガバンクですら給料を上げざるを得ない。保険会社なんかはさらに上げないと人が来ないでしょうし。そもそも銀行というビジネスモデルでは、優秀な人材を引き寄せるのが難しくなってきてる気がします。


藤村

ああ、そうですよね。意欲のある人ほど、制限の中でやりたいことが実現できなくて離れていってしまうらしいですから。それもあって、ホールディングス化で事業の枠を広げているんでしょう。

安田

そういうことなんでしょうね。それに伴って採用したい人も変わってきているんじゃないでしょうか。実際、オンラインでの振り込みが増えたことで店舗の数も減ってきている。そうなると、店舗の人員は必要なくなってくるわけで。


藤村

そうですね。それでいうと、三菱UFJが20年ぶりに新店舗を出すという話を聞いて驚きましたけどね。無人化していくものだと思っていたら、逆方向に舵を切ったわけですから。

安田

二極化しているんでしょうね。極力人を減らしてコストダウンするサービスと、人間が対応する代わりに手数料が高いサービスと。飲食店が調理も接客も無人の安い店と、すべて人間が対応する高級店に分かれていくのと同じだと思います。


藤村

ああ、確かに。UFJも、単に店舗を増やしたということではないでしょうからね。

安田

そうそう。高付加価値サービスを提供するための施策なんでしょう。例えば富裕層向けにマンツーマンで手厚いサービスを提供して、手数料を高く設定するようなビジネスとか。


藤村

資産運用は我々にお任せください、とかね。それにしても、大きく時代が変わりましたよね。それを見越して準備をしてきたかどうかで、命運がわかれてる感じがしますね。

安田

ここ数年で常識がひっくり返りましたからね。今までは若い頃に低い給料で頑張ったら、40代くらいで楽できてましたけど、今はそんな感覚は通用しないですから。


藤村

その流れがさらに進んでいくんでしょう。そう考えると、今の20代はお得かもしれません。

安田

本当にそうですよ。ただ「これがずっと50代まで続く」と安心しきってしまうと危険な気はします。75歳くらいまでは働くと決めて、20代30代のうちに稼ぎつつキャリアアップも手を抜かない、くらいの人じゃないと。


藤村

仰るとおりですね。でも逆に言えば、そこさえしっかりやれば若い方は大丈夫なんじゃないでしょうか。ただ40代以上に関しては、大手でもリストラの対象になったり、なかなか厳しいなと思いますけど。会社が採用に力を入れている一方で、自分は退職勧告をされているという。

安田

そこは手のひら返しが起きてしまってますからね。腹をくくってリスキリングするしかないと思います。

藤村

本当ですね。「30年働いたぞ」なんて言っても、なんの評価もされなくなりましたから。昔はそれが大きな勲章になってたのに……

安田

世の中の変化に合わせて切り替えていくしかないんでしょうね。

 


対談している二人

藤村 泰宏(ふじむら やすひろ)
株式会社フジデンホールディングス 代表取締役

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1966(昭和41)年、東京都生まれ。高校卒業後、友禅職人で経験を積み、1993(平成5)年に京都府八幡市にて「藤村電機設備」を個人創業。1999(平成11)年に株式会社へ組織変更し、社名も「株式会社フジデン」に変更。代表取締役に就任し、現在に至る。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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