人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第45回 豊かな人生に必要な出会い

ああ、確かにその辺りの価値観は大きく変わりましたね。会社が潰れたのが46歳の頃だったんですが、それ以降は「残りの人生で何を選ぶべきか」を考えるようになりました。例えば本にしても、世の中の全ての本を読めるわけじゃないでしょう?

そうそう。ちなみに私は人との出会いって必然だと思っているんです。出会うべき人とは自然と出会うようになっている。普段東京でしか会わないような友人と、旅先でばったり会ったりすることがあるじゃないですか。

そうそう。そういう縁って、偶然のようで偶然じゃないんですよね。でも、友人が多すぎて忙し過ぎる毎日を送っていると、そういう必然の出会いを取りこぼしてしまう。だからこそ、その時その時の「今付き合うべき人」との時間を大事にしていきたいなと。

なるほどなぁ。私自身もこの対談含めて、安田さんとのご縁をいただいていることが本当にありがたいなと思います。まぁ、安田さんの貴重な時間をいただいているわけで、十分な価値を提供できているかいつもドキドキしているんですけど(笑)。

わかります。私も価値を「損得だけ」で判断しない方がいいと思っていて。人生って、結局は「無駄な時間の積み重ね」じゃないかと思うんです。いくらお金をたくさん稼いでも、死後の世界には持っていけないわけで。

わかります。それで言うと私、「こだわり相談ツアー」という、相談者と食事をする企画を長く続けているんですね。それでいろんな人に会うんですけど、「私はなんでこの人と食事してるんだろう?」と思ってしまうことも稀にあって(笑)。でもそれだって「必要な無駄」だったんだろうなと。

同感です。旅行で1分単位のスケジュールを決める人がいますけど、そんなに無駄を排除して意味があるのかな、とも思っちゃう。「何もない時間」や「何もなさなかった時間」も必要なんじゃないかという気がして。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。