人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第49回 労働人口が半減する未来に求められる経営者の覚悟

今、出生率がどんどん下がっていて、年間の出生数も70万人を切ると言われていますね。いずれにせよ、これから人口が減っていくのは間違いないわけです。

そうなんです。そもそも人口を維持するには出生率が2.07を超えなければいけませんから。1人も子どもがいない夫婦も珍しくない中で、皆が2人以上生むのは現実的には難しいですよね。

それはもちろんわかるんですけどね。でも、今後日本の人口は5000万人までは減少すると予測されているわけです。つまり1億人の人口を維持したいなら、5000万人の移民を受け入れなければならない。そうなったらもはや「日本国」ではなくなってしまうんじゃないかと。

確かにその視点は重要ですよねぇ。とはいえ、急に日本人全員が「もう経済活動はやめてのんびり暮らそう!」とはならないわけで、やっぱり国は今まで通り運営していかないといけない。だとすると、労働力が下がる分はやっぱり「一人あたりの生産性を高める」しかないような気もして。

ああ、なるほど。確かにそこは必須課題でしょうね。実際、今の日本人の1人あたりの生産性は先進国で最下位と言われてますし。

そうですよね。今はとかく「税金や社会保険料が上がって苦しい」みたいに言われますが、個人の生産性が上がって収入が2倍3倍になれば、自動的に税収もアップしていくわけで、その結果「減税」ということもできるようになるかもしれない。…ただ、生産性を上げるって、口でいうほど簡単じゃないんですよね。

そうですね。AIなどを使って効率化できる部分はかなり増えましたけど、イコールそれが生産性アップ、さらには直接的な収益に結びつくかというと、それはまた別の問題で。利便性が上がればいわゆるコモディティ化が起きて、技術が大衆化して価格は下がる傾向がある。

確かに、人を「コスト」ではなく「価値を生む存在」として捉える視点が必要ですよね。そういう意味では、「無人化で効率を追及する仕事」と「高付加価値を提供する仕事」を分けて考えなければいけないんでしょうね。

そう思います。だからこれからは、「1人工いくらで…」と単純計算で考える時代ではなくなると思いますよ。「この人がいるからこそ、価値が何倍にもなる」という仕組みを作らないと、いずれ成り立たなくなる。

そう思います。それに、既に人不足で困っている会社も多いですが、3~5年後には今よりもっと人が足りなくなると思うんです。人が採れないというだけでなく、社内に残っている社員が一気に辞めてしまう可能性も十分にある。そういう意味でも社内環境の整備は必須になってきているわけで。

仰るとおりです。逆に言えば、「自分の努力が会社の利益に直結している」と社員が感じられる仕組みさえ作れれば、きっといろんなことがうまく回り始めるんです。会社の売上もあがり、結果、社員一人ひとりの収入も上げられるようになる。

仰るとおりですね。今の日本人の平均所得は400万円くらいですけど、それを1000万円まで引き上げるくらいの感覚が必要だと思います。つまり経営者が社員の給料を少なくとも2倍以上にはしていかないといけない。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。