人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第66回 「弱い遺伝子」が必要な理由

前回、「強い遺伝子が残っていく」という話が出ましたよね。裏を返せば、「残った人は強い遺伝子を持っていた」とも言える。つまり社会で生き残れないような「弱い遺伝子」は自然に淘汰されていくってことじゃないですか。

なるほど。確かに強い人ばかりだったら、社会としては成立しない気もしますね。例えば戦国時代は「殺傷能力が高い人=強い人」だったわけですけど、田畑を耕す人など「殺傷能力が高くない人」も必要なわけで。

ああ、確かに。人間社会は特にそんな感じがします。強いリーダーとそれに従う人、という図式がいろんなところにありますし。一部のめちゃくちゃ稼いでる人がいて、大多数はそこそこの収入というのが最もバランスがいいのかもしれない。

確かに(笑)。一方で、商売上手な人も別の能力は欠けていたりするんでしょう。例えばめちゃくちゃお金儲けは上手だけど、たくさんの女性を泣かせているとか。渋沢栄一なんかもそうだと言われてますけど。

ええ。そう考えると、1人の大金持ちを作るには「お金持ちじゃない人がたくさん必要」という理屈になりますね。「お金持ちじゃない人」を弱い存在とするなら、確かに社会には「弱い存在」が必要ということになる。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。