中卒の僕でも、社長になれた。
裸一貫からのスタートから年商4億円のビジネスを作り上げた「中卒社長・クボサトシ」がゆる〜く語る経営のコツ。既にビジネスを始めている方も、これから始めたいという方も、頭をからっぽにして読んでみてください。
中卒社長クボサトシ「学ナシ経営のススメ」 vol.16
私が起こした“とんでもない事件”について③
“中卒社長”のクボサトシです。
『学ナシ経営のススメ』では、小さな頃から学校の授業が大嫌いだった私が、どうやって年商4億円のビジネスを立ち上げたのか、その経緯やノウハウについてお伝えしていきたいと思います。
今週も、先週の続きから。
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「馬鹿野郎!そういうことを言っとるんやない!」
もともと個人事業主なのだから、勝手に独立したって問題ないはずではないか。そう言う私を親方は怒鳴りつけ、「いいか久保」と話し始めました。
その内容は、私が想像していたこととは違っていました。親方が怒っていたのは、自分に黙って独立したことでも、面子を潰されたことでもありませんでした。そうではなく、「塗装業者としての責任のなさ」でした。
私が独立するに当たってしたのは、名刺の準備と、あとは塗装に使う塗料の用意くらい。契約も口頭だけで、もちろん保険などにも入らないまま、「まあ問題ないだろう」と次々施工してお金を受け取っていたのです。
「もし、施工中に車にペンキが飛んだらどうする。近隣の人からペンキで壁が汚れたとクレームが入ったらどうする。それ以前に、そんな塗装頼んだ覚えがないととぼけられたらどうする。契約書もなければ保険にも入っていない、そんなんじゃどうしようもないやろうが」
…確かにそう言われれば、その通りなのです。今までそういったトラブルが起きていないのがラッキーだっただけで、もし起こってしまえば、大変なことになっていたかもしれません。
「どうせ、自分の保険にも入ってないんやろ。お前な、一人親方ってのは文字通り一人なんや。仕事中に怪我して仕事ができなくなったらどないすんねん」
「…それは、親方の会社に頼むとか」
「馬鹿野郎! だったら相応の付き合い方をしろ! 一言の挨拶もなく、コソコソ勝手に独立するような奴のために、誰が一肌脱ごうと思うんや」
…そうか、確かにそうだ。私は今更のように恐ろしくなりました。数千万の売上を得たと粋がっていたけれど、それは綱渡り状態の危うい状況の中で、たまたま手に入ったものに過ぎない。もし私が足を踏み外していたら、私は誰にも助けてもらえないまま、破滅していたかもしれない。
そう思うと、その数千万が途端に重いものに思えてきました。
これはたまたま宝くじが当たって手に入れたわけではない。お客様から仕事の報酬としていただいたもの、つまり、「責任」が具現化したものなのだと気付いたのです。
さて、続きは来週にして、今週の「学ナシ経営のススメ」。
「お金は責任が具現化したもの」
毎月入る「給料」は、誰が払っているものかご存知でしょうか。「会社から振り込まれるんだから、会社が払ってるものでしょ」。そう思うとしたら、少し危険かもしれません。どんなビジネスでも、お客様がいます。そしてお客様からいただいた報酬の中の一部が、あなたの給与として支払われているのです。報酬というのは「価値を提供するという責任」のもと支払われたもの。つまりお金は「責任が具現化したもの」なのです。
ということで、また来週。