第112回「“オモリ”に想いを込めた小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「“オモリ”に想いを込めた小さなブルーオーシャン」


「環境を考える vs 効果アップ。矛盾を可能にした製品づくり。」

半世紀以上、釣り用の錘(オモリ)を、
研究・製造・販売している会社があります。

その会社は北海道の函館のそばにある
北海道北斗市にあります。

株式会社フジワラ。

そもそもはイカの釣り針を
作っていたのだそうです。

イカの釣り針を作っていた、
というだけでもそそられますが…(笑)

そこからイカ釣り用のオモリ(錘)の製造に着手し、
さらに一般釣り用のオモリ(錘)へと商品開発を続け、
現在に至るのだそうです。

オモリ(錘)の商品開発?
って思いませんか?

釣り用のオモリといえば…

この写真のように、
鉛色のオモリが思い浮かべますよね。

ところが、株式会社フジワラでは、
カラーコーティングを施して
従来のオモリよりも集魚効果の高いオモリ(錘)の開発に成功。

釣りマニアの間でも、
集魚効果が抜群であるという評判を
いただいているとのことです。
さらには、流体工学を取り入れ、
沈降テストを何度も行ったことにより、
沈降時間の短縮と巻き上げ時の抵抗軽減も
実現していると言います。

私は研修の講師をしている関係で、
多くの学生にたいして、
仕事をする、働くということは、
「オタク」になること。
だから「オタク」は恥ずかしいことではない、
という話をするのですが、
まさに、オモリ(錘)の
オタクですよね。

また、鉛は環境に与える影響が
問題視されていたそうです。
同社は、いち早くこの問題に取り組み、
脱鉛オモリ(錘)の開発に着手し、
サビない、沈降性能の優れた
鉄製のオモリ(錘)を生み出したそうです。

環境に配慮しながら、
集魚効果までも実現するオモリ(錘)。

派手さはありません。
ものすごい市場があって、
大きな売り上げが見込めるとも
思えません。
ただ、釣り人にとっては、
なくてはならない会社なのかも
しれませんね。

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株式会社フジワラ
URL http://fishing-fujiwara.com/
本社所在地 北海道北斗市追分3丁目2番7号
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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