その207 マキシマムをたしなむ

個人のライフスタイルについて、数年前くらいまでミニマリストという言葉が流行していました。
できるだけ家をクリーンな空間にして、所有物を減らし、服も最小限、柄物なんてありえない、清潔でがらんとした生活環境を作るイメージ。

これは当時もネタ的にとらえられるところがありました。まあ柄物着て悪いわけがないですからね。

サステナブルが出始め、スーツの胸元に謎のカラフルバッヂをつけてるアレ、みたいなものからコツコツ取り組む温度の低い日常的な課題に移行したように、ミニマリズムも現在はファッションから「足るを知る」を志向するコツコツスタイルになっているようです。

一方、ミニマリズムの反動でマキシマリズムという主張が最近はあるそうです。

ミニマリズムはどうしてもモノトーン、ストイック、消費否定的な「思想」に寄りがちですから、そんなのイヤだ!といいたくなる人が出るのは自然なことです。

たとえば靴が好きで、経済的な余裕が十分なあるインフルエンサーは、対象が高価な革靴にもかかわらず、自宅になりふりかまわず置くだけでは限界にきて、職場に置いたり、さらに一日数回履き替えるくらいでないと履きまわし自体ができなくなりそう、とぼやいていました。

ただ、そういった「増えていくモノたち」におぼれている人たちを見て共通していえるのは、「我々はマキシマリストだ。増えれば増えるほどいいのだ」と宣言しているわけでは決してないということです。

むしろ、その逆です。

スニーカーの話をすれば、世にいるマニアは、多くがサラリーマンでかつおっさんです。マニアの道を楽しむ時間の横には、奥さんや彼女さんから注がれる冷たい視線がデフォルトでついてくるものです。

ある意味、自分で設定した目標を達成するために生活を制限するのがミニマリストの「戦い」ならば、いつの間にか増えてしまうモノと生活との折り合いをつけることがマキシマリストの「戦い」なのです。

靴マニアの方の場合、「お前はムカデなのか?」といわれたことがない人の方が少ないとかなんとか。

マニアにはほど遠いですが、かくいうわたくしも、多少の多足と、リュックを背負う背中が複数、あとメガネをかける目が何十個か……
 

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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