その86 エネルギー

先日、電車の中で流れている動画をながめておりましたら
若い方対象のキャリアコンサルタントとかヘッドハンターとか、
そんなような肩書の方のインタビューが流れておりました。

なんでもその方は1日10人に会うという面接のプロだそうで、
毎日それほどの人数と会いつづけていたら
一体どんな心境に行きつくのだろう、と想像もできません。

接客のプロフェッショナルはときに
何ヶ月も前に一度会っただけの人を覚えていると聞きますが、
ビジネスで人と会うということは記憶にあるだけでは十分でなく、
なんらかの結果を残さなければ価値がないとされるでしょう。

仮に自分が1日10人と面接するのであったら、
あっという間に繰り返しの定型作業化する以外の画が思い浮かびません。
というか夕方にはその日の朝に会った人を忘れてしまいそうです。

そして、面接した方を採点、評価するポイントはいくつもあり、
「地頭の良さ」「高エネルギーであること」「可愛げ」
などなどあるとのことでした。

ひと昔前、「デスノート」という漫画にて、
超常能力を持ったキャラクターが他人を見ると
その頭上にはその人の寿命が数字で表示されており、
相手も知らないうちに寿命の情報を取得するという描写がありましたが、
面接の限定された時間でいくつもの能力を読みとるということは
それに匹敵する特殊能力といえるかもしれません。

まあ、頭の良さや性格は会話を通してある程度判断できるにせよ、
「高エネルギーであること」は、どうやって推し量るのかとも思います。

単にテンションが高いだけではだめでしょうし、
実際に働いている場を見なければそもそも困難なことですし、
やりたいことを語ったり、日頃の努力をアピールすることは
キャリアアップがかかっている場であえてやらない人はいないでしょう。

と、高エネルギーといえば、
以前あるプロボディビルダーが体をデカく(筋肉をつける)することについて
語っていた場面を思い出しました。

「一般の趣味の人と自分たちのデカくなりたいという意味はまったく違う」
「自分は若いころ、街で自分よりデカい奴を見たら何日も悔しくて眠れなかった」
「それくらいデカくなりたい思いが強かった」

……筋肉量が「悔しくて眠れない」につながる感情はさっぱり理解できませんが、
これが高エネルギーであることには疑いようがありません。
むしろ、他人には見えないものが自分にははっきりと見えていること、
誰かの評価や理屈を理由としないところからこんこんと湧き上がっている、
そんな意味不明なモノこそが人間が社会でなにか新しいことをするときの
エネルギーであるように思えてなりません。

ただやっぱり、1日10人に会ってたら、
本当はテンションとかで判断している可能性が高いとは思いますが……

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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