第16回 「集客」を学び直したい方はぜひ万代へ!

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国13店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第16回 「集客」を学び直したい方はぜひ万代へ!

安田

先日、「若い子は2年くらい社会人経験を積んだら早めに起業した方がいい」と仰っていましたけど。例えば40歳とか50歳とか、なんなら60歳を超えてから会社を辞める人もいるじゃないですか。


倉橋

これからは特に増えてくるかもしれませんね。

安田

会社は辞めても、当然それ以降も稼ぎは必要で。でも起業できるような特別なスキルも才能も特にない。こういう人が成功できる方法はありますか?


倉橋
まぁ、基本的にそういう場合は別の会社に就職した方がいいようにも思いますが、自分でビジネスを始めるのも不可能ではないと思いますよ。
安田
少しでも「起業してみたい」って気持ちがあるなら、仮に45歳でも始めた方がいい?

倉橋
やりたい気持ちがあるのに行動しないって、一番悲しいことですから。それに、逆に言えば若者より長いビジネス経験があるわけで、そこで得た知識やノウハウを活かす方法もあるんじゃないかなと。
安田
確かに、経験の蓄積はありますもんね。具体的にはどんなビジネスが考えられますかね?

倉橋
「何を売るか」はその人の経験によって変わってくると思います。とはいえやり方はけっこう決まっていて、できるだけ魅力的かつニッチな商材を作って、お客さんに買ってもらえる動線を4つか5つ作る。その動線を徹底的に改善し続けていけば、絶対とは言えませんけど、ある程度は成功するんじゃないかな。
安田

その場合、まず何から始めるべきですかね。例えば蕎麦が好きだからと、退職金を全部つぎ込んで蕎麦屋を開いて、あっさり失敗している人をよく見るんですけど(笑)。


倉橋

そういう人は多いですよね。結局ビジネスって、商品が一番大事なんです。他の蕎麦屋よりおいしかったり、そこでしか食べれない特別な蕎麦を提供できなければ、うまくいくわけがない。

安田
商品が一番大事、というのはその通りですよね。ちなみに商材を選ぶ際は、「売れそうなもの」と「自分が好きなもの」と、どっちがいいんでしょう。

倉橋
そうですね。まず前提として「売れる商材」を選んだ方がいいですね。
安田
へぇ、ちょっと意外ですね。例えば「高級食パンが売れているから、別にパンに興味ないけどやってみよう」っていうのもありなんですか?

倉橋
ああ、いえ、誤解してほしくないんですが、「売れる商材」であることは前提として重要なんですけど、かといって「まったく興味がないもの」はやめた方がいいと思ってます。
安田
ああ、やっぱりそうですよね。

倉橋
なのでより正確に言うなら、「自分が好きなもの」と「売れるもの」が重なる部分を見つけていくって感じですよね。で、それを見つけたら動線をたくさん考える。事業が動き出したら、その動線を改善し続ける。
安田
なるほどなぁ。つまり全く興味ないものは商売にしちゃいけないけど、好きだっていう理由だけで始めても駄目ってことですね。もうなけなしの退職金はかけちゃいけないよと(笑)。

倉橋
それはもう本当に(笑)。
安田

でも「好き」と「売れる」がクロスしていればいいというわけでもなさそうなんですよ。例えば運動が好きで、今パーソナルジムが人気だからと始めてもうまくいかない人もいっぱいいて。この場合は何が足りないんですかね。


倉橋
やっぱり動線がイマイチなんじゃないですかね。
安田
ということは商売の絞り込み自体は間違っていないけど、売るための工夫が足りないと。

倉橋
そうですね。いかに優れた動線をつくるか、ここがキモだと思うんですよ。
安田
せっかくいい商材を作っても、誰も来ない裏路地の、しかもボロボロのビルの10階で売っていたら、その良さは伝わらないですよね。まず「こんなものを売ってます」っていうことを告知していかないといけない。

倉橋
ええ。そういう伝える作業と動線の改善は、ずっと続けていかないといけないですね。途中で失敗する人は、それを続けることができなくてギブアップしちゃってる気がしますね。
安田
ギブアップするのは時間や資金面もあると思うんですけど、そもそも思い入れがないからということも多いような気がしてまして。

倉橋

商材に全く興味がなければ続けられませんからね。

安田
それでいくと、蟻が大好きで蟻の研究キットを作った人がいるんです。そのキット自体はすごく高いんですけど、世界には蟻が大好きな人が他にもいて、それだけで会社をやってある程度の生活ができるぐらいには売れている。

倉橋
それはかなりニッチな商材ですね。
安田
そうなんです。そういう意味では、「好き」の方に軸足を置いた方が長く続くし、その結果うまくいくんじゃないのかなって気もするんですけど。
倉橋

うーん、僕はそのパターンではなかなか続かないんじゃないかなと思うんですよね。蟻の研究キットだったら「蟻好きな人」を呼び込む力が必要で。世界中から蟻好きな人を見つけてくる努力をし続けないといけない。

安田
ああ、なるほど。確かに知らなかったら買いようがないですからね。少なくともある程度お客さんが増えて、口コミで紹介が広がるまでは発信を続けないといけない。

倉橋
ええ。それにもう一つ理由があって。「好き」に焦点を当てすぎると、「好き以外の部分」に対するニーズを見逃してしまうことがあるんですよね。例えば蟻の研究キットが売れていても、実は顧客ニーズはそのキットのごく一部にしかなかった、みたいな発想に至らない。
安田
ああ、なるほど。自分自身が好きなものだから、逆に気づけないと。
倉橋
そうそう。それに、商材自体もどんどんアップデートしていくべきなんですが、「好き」が強すぎると、視野が狭くなったり先入観に縛られたりしてしまいがちで。
安田
ああ、確かにそういう面もあるかもしれない。自分を客観的に見れないと言うか。
倉橋
そうなんです。店主として「集客」と「商品開発」というのは常にやっていくべき仕事で、そのいずれもある程度の客観性は必要ですから。
安田
なるほどなぁ。ちなみに話を戻してしまいますが、もし万代さんに「起業したいので2年だけ修行させて下さい!」って人が来たらどうします?
倉橋
事業をやるための勉強だって言われたら、もう全然ウェルカムですよ!
安田
本当ですか! わかりました。じゃあそういう人はぜひ倉橋さんに連絡してみて下さい。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に16店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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