【GlobalPicks/vol.062】2019年のマーケティングを決定づける11のトレンド

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜
著者:小出 紘道



2019年のマーケティングトレンドについてのForbes(←毎度の)記事を紹介しています。

2019年のマーケティングを決定づける11のトレンド

<記事タイトル>
11 Trends That Will Shape Marketing In 2019
2019年のマーケティングを決定づける11のトレンド
[https://www.forbes.com/sites/forbesagencycouncil/2019/01/15/11-trends-that-will-shape-marketing-in-2019/#3f5bfd3836a6]

11のトレンドリストは下記の通りです。

1. A Bigger Role For AI In Personalization And Automation
2. Smart Speaker Advertising Opportunities
3. Growth In Content Marketing
4. A Turn To The Human Side Of Marketing
5. Integrated Online, Social And Mobile Marketing
6. The Growth Of Micro-Influencers
7. Audiences Made Part Of Brand Stories
8. Thought Leadership
9. Transparency As Key To Winning Customers
10. Quality Trumping Quantity In Marketing
11. Customers Empowered As Brand Ambassadors

先週に続きどんどん見ていきます。

8. Thought Leadership

ソートリーダーシップ

この項目、先週すっ飛ばしてました。
ここでは「Thought Leadership(ソートリーダーシップ)」という、マーケティング用語だけ押さえておきましょう。
最近たまに使われる用語です。

ググってパクってますが、「特定のセグメントや分野において将来を先取りしたテーマやソリューションを示し、人々の議論や思想形成を引き起こすことにより、そのテーマやソリューションについて改めてより深く考えるようにする活動」のことを指します。

「カフェで仕事をする」という未来の働き方を先取りしたスターバックスとか(最近だとWeWorkの事例が一番いいですね)、「家具はどうせ買い換えるんだから、その都度スタイリッシュに選べばいいじゃん」という未来を先取りしたIKEAとかの戦略ですね。

消費者に対して「未来」を提示しながら「リーダーシップ」を発揮して購買行動を先導する、というマーケティング手法です。

10. Quality Trumping Quantity In Marketing

マーケティング戦略上、Quality(質)が、Quantity(量)を打ち負かす

さて、「いつか役に立つかもしれない英単語」を取り上げます。

Quantity(クオンティティ)は「量」のことで、マーケティング分析や、マーケティングリサーチで言うところのQuants(クオンツ)は、「定量分析」や「定量調査」を刺します。

一方で、Qualityは「質」のことで、日本語でも「クオリティ」で通じます。同じくマーケティング分析やリサーチにおいては、Quals(クオルズ)と言う言い方があって、「定性分析」や「定性調査」のことを刺します。

Quants and Qualsという言い方は一部外資系ファームで乱用されてまして「定量分析も定性分析もやってるから、この案件の分析はバッチリだよ」感を出すときに使います(笑)

もう一つTrumpという単語を取り上げます。
カードのトランプであり、ドナルド・トランプのTrumpですw

トランプ氏の名前のすごいところは辞書をひけばわかります。

Trumpとは名詞として使うと
・切り札
・奥の手
・最後の手段www
という意味です。

ちなみに、上記本文の原文では動詞的に使っていて「打ち負かす」という意味です。

このTrumpという単語の意味と、大統領の資質があまりにもマッチしすぎているわけですが、このニュアンスが「アメリカでは大前提的に人々の心に刷り込まれて」いるわけで、この部分こそが、全米を揺るがしている「トランプ現象」の肝なのです(笑)

いや、冗談ではなく、本当にそうなんです。あまり語られませんが、アメリカでは大前提的に刷り込まれすぎていて、今さら誰も話していないだけです。最後の手段(Trump)としてのTrump大統領です。

思い出してみると、トランプ大統領と闘ったヒラリー・クリントンと、ヒラリーを支持していたレディ・ガガが、トランプ氏を皮肉って大統領選で大々的にキャンペーンを張っていました。

Love trumps hate

というキャンペーンですね。

Love(愛)は、hate(憎しみ)をtrump(打ち負かす)する。
なので
「愛は憎しみを打ち負かす」というキャンペーンです。

Trumpは名詞的に使うと「切り札」「最後の手段」、動詞的に使うと「打ち負かす」でしたね。

ここで言う「Love(愛)」こそが、ヒラリー・クリントンであり、「Hate(憎しみ)」こそが、まさにドナルド・トランプである、というスローガンでした。

それぞれを代入すると
ヒラリーがトランプをtrump(打ち負かす)する!
と言うキャンペーンです。
Trumpという単語を使って、トランプ大統領を見事に皮肉ったキャンペーンです。
ただ、ご承知の通り、キャンペーンのスローガンはかくも見事でしたが、結果としてはヒラリーが見事に散りましたね。

ということで
Quality Trumps Quantity(質が量を打ち負かす)、というテーマを取り上げながら、本題から逸れまくって「Trump」という単語のニュアンスと、件のトランプ大統領に関して「アメリカで大前提的に刷り込まれているコンセンサス」のことを考えてみました。

 


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)

◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp

◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp

◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp

<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)

 

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