【vol.155】シリーズコロナ後の世界(No.7)コロナ後の旅行

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週から引き続き「シリーズ コロナ後の世界(No.7)」です。

HOFFMAN YORKというクリエイティブとコンサルの会社のHPに良い分析記事が出ていたので、それを紹介します。

今回の記事はこれ

HOW WILL THE PANDEMIC CHANGE CONSUMER BEHAVIORS IN 2021?
2021年、パンデミックは消費者行動をどの様に変えるのか?
https://hoffmanyork.com/news/how-will-pandemic-change-consumer-behaviors-2021

パンデミック以後の2021年、消費者の行動がどの様に変わるのか?
という観点で下記の5つのprediction(予測)が論じられていてそれぞれ興味深い内容なので、全て紹介します。

Prediction 1: Higher education should expect multiple sources of disruption
Prediction 2: Consumers will shop online more than they did pre-pandemic
Prediction 3: Traveling will resume, but will look different for the Interim
Prediction 4: “Vacations” will transition to extended periods of “work remotely elsewhere”
Prediction 5: Remote work will coexist with regular office work, meaning home renovations will soar

先週からの引き続きとなります。

Prediction 3です。

Prediction 3:Traveling will resume, but will look different for the Interim
人々は旅行を再開させるだろう、でも、しばらくの間は様相が異なるだろう

「旅行」と言う意味合いでは、コロナ前同様「需要がある」がちょっと様子が異なるよ、と言う話ですね。

Post-COVID, travel is going to boom at record-setting levels.
→コロナ後、旅行は記録的なブームを迎えるだろう

コロナ禍のリバウンドで、過去最高レベルの旅行需要が見込まれる、と言うことです。record-setting levelsと言っているので、史上最高レベルの「旅行需要」が見込まれているようです。
これは旅行業界にとってはとても良いニュースですね。
旅行代理店などの株価を見ていると、不思議なことに「コロナ前よりも高い」水準まで戻っていたりします。上記のような「予測」を相当に折込済みの株価ということですね。

一方で、下記のように続きます。

Research from Destination Analyst suggests travelers aren’t ready to visit cities yet with only 34% of travelers desiring a visit to a city or metropolitan area in the next year.

「行き先分析(という名前のサイト)」によると、旅行者はまだ都心部への滞在を望んでおらず、次の1年では、旅行者の34%程度しか都会への旅行を望まないと言う結果を示している

コロナ後に旅行需要が史上最高レベルにまで大きく回復するが、行き先は都心部ではなく地方部になるだろう、ということですね。

コロナ禍にも関わらず、昨年、民泊仲介のAirbnb(エアビーアンドビー)が米ナスダック市場に株式を上場しました。
当時「無謀な上場時期」と言われ、現に上場当時はコロナ禍の影響をモロに受けて大変な状況でしたが、今では「近隣への旅行」と「地方部への旅行」をうまく促しながら業績回復してきています。ちなみに、株価も文句のない状況です。
この「Prediction 3」の本質を、上場時のコロナ禍真っ只中の時から既に「読み切って」いたのだとすると、この会社はやはり「旅行業界」を席巻して「Disruptを引き起こすGiant」の地位を確実にするのでしょうね。

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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