【vol.164】シリーズコロナ後の世界(No.8)安全性、自己認識

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、WSJ(The Wall Street Journal)から、コロナ後の世界に向けて消費者の行動がどのように変化・確立していくのか?というレポートを紹介していきます。

今週の記事はこれ

Top 10 Global Consumer Trends for 2021
2021年の世界的な消費者行動Top10
https://www.wsj.com/articles/ten-global-consumer-trends-for-2021-11610976600

パンデミック以後の2021年、消費者の行動がどの様に変わるのか?
という観点で先週までのHOFFMAN YORKの記事に引き続き、WSJの記事を読み込んでいきます。

調査・分析自体は調査会社のEuromonitor International が実施しているようです。下記の10のトレンドが予測されています。
順位ではなく10個がリストでピックアップされています。

・More Brand Activism
・Spontaneity and Convenience
・Open Air
・Physical and Digital Worlds
・New Schedules
・Revenge Spending
・Thoughtful Frugality
・Safety Obsession
・Greater Self-Awareness
・Working From Home Evolves

先週は「Thoughtful Frugality(よく考えた倹約)」を読み込みました。早速続けて行きます。

・Safety Obsession(安全への強迫観念)

“Consumers will be more fearful going forward about any future health concern,” says Ms. Angus. “I think we will care a lot about safety for a long time.”

消費者は将来の健康についてさらに恐れることになるでしょう。私達はこれから長い間「安全性」に気を配るようになるのです

Obsession(オブセッション)というのは、とりつかれたように何かに執着することで、今回の件でいうと「Safety(安全)」がその対象です。

皆さんご存知「マズロー」的に言うと、”Safety”はピラミッドの下から2番めの低位の欲求です。先進各国においても、コロナ禍によって「欲求段階ピラミッドの上位から下位への逆流」が起きているという極めて珍しいことが起きています。日本に特化すると、今後台湾問題とか北朝鮮問題が暴発したときにも、再度同じような現象が起きるのかもしれません。

欲求の「低位逆流」のお話でした。

次行きます。

・Greater Self-Awareness(さらに強まる自己認識)

The global pandemic forced consumers to reconfigure their lives and test their mental resilience amid health risks, economic hardship and isolation. Now they are reassessing their priorities, identities and work-life balance.

世界的なパンデミックによって、消費者は、健康をリスクにさらされたり経済的な困難や孤立に直面する中で、生活を再構築させられたり、精神的なresilienceを試されるようになりました。
今、消費者は、自分自身の優先順位やアイデンディディやワークライフバランスを見直しているところなのです。

「いつか役に立つかも英単語」として、resilience(レジリエンス)を取り上げたいと思います。

resilience(レジリエンス):回復力

「回復する力」とか「立ち直る力」とか、そういう意味合いです。
本文中にはmental resilience(精神的な回復力)という表現があります。
コロナ禍で「精神的にダメージを受けても自分自身で回復させる力や手法を持っているかどうか?」が試されてますよ、という意味合いです。

経済の面でいうと、もとい、金融の面で言うと「株価を中心とした金融マーケットはresilienceがある」ということが今回も証明されていますし、歴史も証明しています。
日本の国家としてのresilienceはまだ証明されていません。ちょっと難しいかもですね(涙)

えっと、自分自身の話ですが mental面のresilienceは万全な感じがしますが、physical面でのresilienceが「低位逆流」してきた感じがします。。。
多分パンデミックの問題ではなくてエイジングの問題です、はい。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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