【vol.211】2022年以降のHRトレンドTop5「DEI」

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き「HR領域の2022年のトレンド」を取り上げています。
HR ForcastというドイツのHRのサイトから引っ張ってきました。
ドイツではメジャーっぽいです。

今回の記事はコレ

Top 5 HR trends for 2022 and beyond
2022年以降のHRトレンドTop5
(https://hrforecast.com/top-5-hr-trends-for-2021-and-beyond/)

5つのトレンドは下記の通りです。先に提示しておきますね。

Trend #1: Hybrid offices
Trend #2: Employee experience: redefined
Trend #3: Employee upskilling
Trend #4: Data-driven HR and people analytics
Trend #5: Diversity, equity, and inclusion (DEI)

前回の「Trend #4: Data-driven HR and people analytics(データドリブンのHR及び人材分析)」に続き、
5つ目のトレンドを読み込んでいきます。

Trend #5: Diversity, equity, and inclusion (DEI)
(DEI:多様性、公平性、包含性)

In 2020, the amount of search queries on workforce diversity insights has increased by 74% in comparison with a year before.
In fact, companies with a highly diverse workforce reported up to 19% higher revenues than companies with low diversity.

2020年は、前年に比べて「労働力の多様性」についての検索が74%も増えた。
事実、高い多様性を持つ企業は、多様性の低い企業よりも19%も高い収益が報告されている。

上記のように、「diversity (ダイバーシティ)」はここ10年くらいよく聞く言葉です。
これに2年くらい前から「inclusion(インクルージョン)」が加わって『D&I(Diversity&Inclusion)』が汎用的に使われるようになってきました。
さらに「equity(イクイティ)」を加えてその頭文字を取った『DEI』が2022年のトレンド、ということです。

一応、単語の整理をしておきます。

Diversity(ダイバーシティ):多様性
Equity(イクイティ):公平性
Inclusion(インクルージョン):包含性

これが繋がって『DEI』なので、ざっくり言うと「多様性を重視して、各自の個性に配慮しながら公平性を保ち、皆が活躍できるような環境を整備する」こと、と言えると思います。

このDEIという世界的なトレンドなので、各社は「採用方針の再定義」したり、「教育プログラム」を主導したり、成果についての「分析・説明責任」を求められることになる、というのが論旨となっています。

「DEIが2022年のトレンド」ということですが、「トレンド=単なる流行り」と捉えるとちょっとニュアンス違うかもしれないな、と思います。
どちらかと言うと「DEIを重視しようという世界的なコンセンサス」というニュアンスの方が近いですかね。

誤解を恐れずに言うと「強制力と罰則性を伴う、強めの世界的なコンセンサス」に近いと思います。
「トレンドだからDEI重視したほうがいいね」というレベルではなく「世界的なコンセンサスだから、DEI重視した経営にシフトしないと、とんでもないことになるよ?」というニュアンスで受け止めておいた方が『安全』かな、と思います。

 

著者の他の記事を見る


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
著者ページへ

感想・著者への質問はこちらから