【vol.273】オンラインショッピングのトレンド③

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に引き続き「オンラインショッピングのトレンド」を見ていきたいと思います。
素材は、決済サービスSquare社の自社記事です。
Z世代/ミレニアル世代の決済データを大量に持っている会社のレポートとして注目しました。

Square社の「自社調査」なので、PR調査的な側面もあるものの、重要なデータも含まれているので読んでみました。

今週の記事はコレ

Consumer Trends in 2023: What We’ve Learned So Far | Square
(2023年の消費者動向: これまでわかったこと by スクエア社)
https://squareup.com/us/en/the-bottom-line/reaching-customers/consumer-trends-2023

記事内には「注目すべき5つの消費者行動」が記載されていて、下記がそのリストです。

1.Mobile commerce is a must.
2.Buy now, pay later attracts shoppers.
3.Sustainability matters to conscious consumers.
4.Luxury is relevant for millennials and Gen Zers.
5.Customers want more from their shopping experience.

 

先週からの続きで、「4.Luxury is relevant for millennials and Gen Zers.」を読んでみます。

4.Luxury is relevant for millennials and Gen Zers.
(高級品はミレニアル世代とZ世代にとって重要)

While there’s been a slight drop in millennials’ share of spend on luxury items — from 56% to 45% — over the past few years, there’s been growth in this area as it relates to Gen Z. This generation’s share of spend is 16%, up from 13% in 2019.

ここ数年、ミレニアル世代が高級品に費やす割合は56%から45%へとわずかに低下しているが、Z世代に関しては伸びている。Z世代の消費割合は16%で、2019年の13%から上昇している。

ミレニアル世代は「脱高級品思考」が強まっていて、Z世代は「やや高級品思考」になっている。
これが、コロナ前後での若者消費の変化ということです。

Z世代の高級品消費が増加した背景として、次のような記載がありました。

While these shifts can be attributed to factors such as disposable income, it’s also important to note the impact of the return to office, pushing shoppers to purchase sophisticated staple items. In fact, Square data shows a yearly increase in workwear items such as dress shirts (+19%) and overszied blazers (+44%).

このようなシフトは可処分所得などの要因に起因すると考えられるが、オフィス勤務への復帰が、消費者に洗練された定番商品の購入を促していることにも注目する必要がある。実際、Squareのデータによると、ドレスシャツ(19%増)やオーバーサイズのブレザー(44%増)といったワークウェアアイテムが年々増加している。

一番大きい要因は、当然ながら「Z世代が成長と共に収入が増えて購買力が上がった」からでしょうね。まあそりゃそうですよね。「買えるようになったから買うようになった」というロジックですね。

で、もう一つ重要な観点が「リモートワークからオフィスワークへの回帰」です。この動きとともに、ファッションやワークアイテムに「少し高級なもの」を選ぶようになってきた、という点ですね。

コロナ禍で新社会人生活を開始した世代は、今まさに「3年目にしてようやくオフィスで働く生活」をし始めたわけで、そうすると「買い物の傾向」もこれまでとは大きく変化しているのかもしれませんね。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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