【vol.163】シリーズコロナ後の世界(No.8)贅沢のための倹約

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、WSJ(The Wall Street Journal)から、コロナ後の世界に向けて消費者の行動がどのように変化・確立していくのか?というレポートを紹介していきます。

今週の記事はこれ

Top 10 Global Consumer Trends for 2021
2021年の世界的な消費者行動Top10
https://www.wsj.com/articles/ten-global-consumer-trends-for-2021-11610976600

パンデミック以後の2021年、消費者の行動がどの様に変わるのか?
という観点で先週までのHOFFMAN YORKの記事に引き続き、WSJの記事を読み込んでいきます。

調査・分析自体は調査会社のEuromonitor International が実施しているようです。下記の10のトレンドが予測されています。
順位ではなく10個がリストでピックアップされています。

・More Brand Activism
・Spontaneity and Convenience
・Open Air
・Physical and Digital Worlds
・New Schedules
・Revenge Spending
・Thoughtful Frugality
・Safety Obsession
・Greater Self-Awareness
・Working From Home Evolves

先週は「Revenge Spending(リベンジ消費)」を読み込みました。早速続けて行きます。

・Thoughtful Frugality(よく考えた倹約)

Trading down on some items in order to be able to spend more on others, like affordable luxuries and experiences that boost their physical and mental well-being during this crisis.

Affordable luxuries(手頃な贅沢)や経験のように、今回の危機の間の肉体的および精神的なwell-being(幸福)を後押しするようなモノ・コトにより多く出費するために、消費者はいくつかの商品への出費を減らしたり処分したりします。

コロナ危機によって、人々は「well-being=幸福」を維持・向上するために「プチ贅沢」をするようになったけど、その代わりに「従来よりも倹約」の対象になるモノ・コトが出てきました、という意味合いだと思います。

下記に続きます。

This “trading down to trade up” is an accelerating trend during the pandemic.

「良いものを買うため」に「他の買い物のレベルを落とす」のが、パンデミックの間に急上昇してきた購買トレンドです。

「贅沢派」と「倹約派」という従来のグループ分けではなくて、
一人の人の中に「贅沢な消費」と「倹約的な消費」が共存するトレンドが見えてきた、ということがまずポイントですね。

そして、もう一つポイントがあるとすると「倹約的な消費」は「贅沢な消費」のための『手段』になっていて、「贅沢」と「倹約」が、それぞれ『目的』と『手段』の関係性になっているということかもしれません。

前にも書いたかもしれませんが、「いつか役に立つかも英単語」としてwell-beingを取り上げたいと思います。

Well-being(ウェル・ビーイング):幸福

意味が「幸福」なので、happiness(ハピネス)との違いを覚えておくといつか役に立つと思います。

Hapiness:持続性を問わない瞬間的で単一的な幸せ
Well-being:持続可能で多面的な幸せ

「持続可能」と言えばSDGsなので、2020年代で表現すべき幸福はHappinessではなくWell-beingとなります。
なので、事業をする上で顧客の幸福に寄与したい時には「Hapiness」という訴求は前時代的です。「Well-being」という訴求が大正義となるので、気をつけましょう(笑)

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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