【vol.225】2022年「小売業界」のトレンドの話(ネット・ゼロへの道)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き「小売業界」の2022年のトレンドの話を見ていきます。
Retail EconomicsというUKの小売業界専門情報有料サイトの無料記事から紹介していきます。

今週の記事はコレ

5 Key Retail Trends in 2022
2022年の小売業界5の主要な5つのトレンド
https://www.retaileconomics.co.uk/retail-insights-trends/five-key-retail-trends-in-2022

全体のサマリーインタビューが動画になっているので、一応載せておきます。

記事本文では、下記の5つのトレンドが取り上げられています。

Trend 1: Digital Dependency
Trend 2: Rebalancing Physical Retail
Trend 3: Supply chain disruption
Trend 4: Path to Net Zero
Trend 5: Protecting Profitability

先週の「Trend 3: Supply chain disruption」に引き続き、Trend4をご紹介します。

Trend 4: Path to Net Zero
(実質ゼロへの道)

The gap between ‘commitment’ and ‘action’ must narrow rapidly if businesses are to fulfil their net zero carbon emissions obligations by 2050. Under one third of the largest 1,000 European corporates have a solid commitment in reaching net zero by 2050. Of those that have commitments, just 5% are on track to meet their target if current trends continue.

企業が2050年までにnet zero carbon emissions(炭素排出量ゼロ)の義務を果たすには「コミットメント」と「行動」のギャップを急速に縮める必要がある。
欧州の大企業1,000社のうち、2050年までにネット・ゼロを達成することを確約しているのは3分の1以下である。
その中で、現在の傾向が続けば、目標に見合うのはわずか5%である。

本文全体の主旨としては
・2020年に温室効果ガス排出量は過去最高を記録した
・2021年にはパンデミックによる経済減速によって、二酸化炭素の排出量が6~7%減少した
・イギリスは「意識」は他国に先行しているが、実際の企業の「コミットメント」は曖昧である
・欧州の大企業は、結果的に2050年までにネット・ゼロをほとんど達成できないだろう

そんな中で「消費者の側には確実に意識変化が起きている」という調査結果が載っています。

図表11
Willingness to pay for the reduction in carbon emissions
→炭素排出量を削減するための「支払い/消費」意向

このインフォグラフィクスが言っていることとしては
・消費者の半分は炭素排出量削減のために「もう少しだけ」支払っても良い
・炭素排出量削減が自分の消費の選択に「影響しない」という人はわずか12%しかいない
・特に、Z世代で「影響しない」としている人は僅か2%しかいない
・若い世代ほど炭素排出量削減につながる消費についての意識が高い

このまま行くと、2050年のネット・ゼロ達成の見込みは薄いというのが「現状をベースとした手堅いシミュレーション」だと思います。
一方で、ミレニアル世代・Z世代およびさらに若い世代が消費の中心となっているであろう2050年には、めちゃくちゃ意識高い系消費が蔓延することで、ひょっとすればひょっとするかもという「希望的観測」もありうるのかも知れませんね。

 

著者の他の記事を見る


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
著者ページへ

感想・著者への質問はこちらから