【vol.322】自動車産業の2024-2026年における10のインパクト(電気自動車)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


今週からは、EXPLODING TOPICSという「今どんなトピックが盛り上がっているのか?」を可視化する専門サイトから、「自動車産業のトピック」を取り上げたいと思います。

今回の記事はこれ。
10 Important Auto Industry Trends (2024-2026)
自動車産業の2024-2026年における10のインパクト
https://explodingtopics.com/blog/auto-industry-trends

トラッキングサイトとして、とても有用だと思います。
自分が興味のある「カテゴリー」と「見たい期間」を選択(例:Fitness業界の直近5年)すると、「期間内にどんなトピックが盛り上がっているのか?」が可視化されて出てきます。
有料版に申し込みと、全てのデータが見られるようになるようです。
(https://explodingtopics.com/fitness-topics)

自動車産業の10のインパクトは下記の通りです。

1. Electric Vehicle Adoption Increases Worldwide
2. Autonomous Vehicles Change The Face Of The Auto Industry
3. Cars Become Even More Connected
4. Vehicle Purchases Shift Online
5. The Automotive Parts Market Continues To Grow
6. Chip Shortage Continues To Plague Auto Manufacturers
7. Auto Sales Impacted By Low Inventory And High Prices
8. Micromobility Presents A Potential Shift Among Consumers
9. Hydrogen May Be The Fuel Of The Future
10. Luxury Car Brands See Growth

1. Electric Vehicle Adoption Increases Worldwide
(世界中で電気自動車の普及が進む)

Probably the most important trend in the automotive industry is the worldwide shift to electric vehicles (EVs).
Searches for “electric vehicles” are up by 110% over the past 5 years.

自動車業界における最も重要なトレンドは、世界的な電気自動車(EV)へのシフトであろう。
「電気自動車」の検索数は過去5年間で110%増加している。

自動車産業が世界的にEVにシフトしていくのは、周知の事実かと思いますが、実際の検索ベースで「5年間で110%増加」という部分が定量化されていて良いと思います。

 

 

Europe now is the largest market for new plug-in electric vehicles, overtaking China’s first spot.
Searches for “plug in hybrid” have increased 238% since 2020.

欧州は現在、プラグイン電気自動車の新車市場において、中国を抜いて最大の市場となっている。
「プラグイン・ハイブリッド」の検索数は2020年以降238%増加している。

「プラグインハイブリッドカー(PHEV)とは、ハイブリッドカー(HV)に外部充電機能を加え、電気だけで走れる距離を大幅に長くしたエコカー」のことです。PHEVと表記されることが多いですね。
このPHEVの検索数が特に増加していて、2020年以降で実に238%増とのことです。

 

 

And this trend isn’t expected to slow down anytime soon.
Bloomberg New Energy Finance expects EVs to account for 10% of all new car sales by 2025 and 58% by 2040.
Even with this rapid growth, EV’s share of cars on the road is expected to remain at just 8% by 2030.
The massive rotation in the global vehicle fleet is predicted to take place in the 2030s.
By the end of that decade, it’s predicted that over 30% of the cars on the road will be EVs.

そして、このトレンドはすぐに減速することはないだろう。
ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは、2025年までに新車販売台数の10%、2040年までに58%をEVが占めると予想している。
この急成長をもってしても、2030年までにEVが道路を走る車のシェアに占める割合はわずか8%にとどまると予想されている。
世界の自動車保有台数の大転換は2030年代に起こると予測されている。
その10年後までには、道路を走る車の30%以上がEVになると予測されている。

要するに「2040年には、販売する車の過半数がEVになる」という話なのですが、もう一つ重要なポイントが「とはいえ、2040年になっても路上を走っている車の30%程度がEVという水準に留まる」という点です。
自動車産業の未来を考えるときに、あたかも10年後にはほとんどがEVになっていそうな感覚を持ちがちが、実際は「そこまで全方位的にEVだらけの世界にはならない」という景色です。
 

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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