【vol.326】自動車産業の2024-2026年における10のインパクト(部品市場・チップ不足)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、EXPLODING TOPICSという「今どんなトピックが盛り上がっているのか?」を可視化する専門サイトから、「自動車産業のトピック」を取り上げたいと思います。

今回の記事はこれ。
10 Important Auto Industry Trends (2024-2026)
自動車産業の2024-2026年における10のインパクト
https://explodingtopics.com/blog/auto-industry-trends

自動車産業の10のインパクトは下記の通りです。

1. Electric Vehicle Adoption Increases Worldwide
2. Autonomous Vehicles Change The Face Of The Auto Industry
3. Cars Become Even More Connected
4. Vehicle Purchases Shift Online
5. The Automotive Parts Market Continues To Grow
6. Chip Shortage Continues To Plague Auto Manufacturers
7. Auto Sales Impacted By Low Inventory And High Prices
8. Micromobility Presents A Potential Shift Among Consumers
9. Hydrogen May Be The Fuel Of The Future
10. Luxury Car Brands See Growth

 

先週の「4. Vehicle Purchases Shift Online」に引き続き、「5. The Automotive Parts Market Continues To Grow」と「6. Chip Shortage Continues To Plague Auto Manufacturers」を見ていきます。

5. The Automotive Parts Market Continues To Grow
(成長を続ける自動車部品市場)

The global automotive parts market has been steadily growing for the past twenty years.

世界の自動車部品市場は過去20年間、着実に成長を続けている。

世界的には、ここ20年間、路上に出ている自動車の平均年齢が上がり続けている(長く乗れるようになっている)ことから、部品市場が恩恵を受けているということみたいです。

However, the demand for parts is also being diminished by the increasing quality of newly manufactured vehicle parts.
Much of this growth is being driven by the sale of new trucks and light SUVs.
This category of vehicle is more prone to higher accessory and part sales.

しかし、新しく製造される自動車部品の品質が向上しているため、部品需要も減少している。
この成長の多くは、新型トラックや小型SUVの販売によってもたらされている。
このカテゴリーの車両は、アクセサリーや部品の売上が高くなりやすい。

これまでの成長は「一般乗用車」が支えていたのですが、最近およびこれからの成長はトラックとか小型SUV(最近流行っている)が支えることになる、ということですね。
一方で「一般乗用車」は壊れにくくなっていくので、部品市場の成長は鈍化していくわけですね。納得です。

 

6. Chip Shortage Continues To Plague Auto Manufacturers
(自動車メーカーを悩ませ続けるチップ不足)

When demand for cars plummeted in the early days of the pandemic, auto manufacturers stopped ordering them and chip producers focused their attention elsewhere.
After demand started coming back, there simply wasn’t an adequate supply of chips, and the auto industry has been feeling the effects ever since.

パンデミックの初期に自動車の需要が激減したとき、自動車メーカーは自動車の注文を止め、チップ製造業者は他の業界にチップを提供した。
需要が回復し始めた後、チップの十分な供給がなかったため、自動車業界はそれ以来その影響を感じ続けている。

これが世にいう「自動車業界にチップ無い問題」の基本構造ですね。
パンデミックで需要が細ったから一旦チップの購入をやめてしまって、需要が回復した時に「チップください」と言っても「もう他に売ったから無いよ」と言われてチーン、ってやつですね。
スマホやクラウドコンピューティング業界にチップが流れていったわけです。

自動車業界と、スマホ・PC業界って、そういう意味では「バチバチに競合する同一構造の産業」と言えるわけですね。
結局のところ、クルマとスマホとPCって同期する方向に向かっているわけなので、早晩クルマも「単なる移動デバイスの一つ」みたいなポジションになるのかもしれません。

 

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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