【GlobalPicks/vol.137】シリーズ コロナ後の世界(No.5)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


「シリーズ コロナ後の世界(No.5)」として、Mckinseyのサイトから「引き続き、コロナ禍の不確実性を反映し続ける、消費者意識と行動」を読み込んでます。

いくつかの興味深いチャートがあるので、これらの紹介していこうと思います。

今回のチャートはこれ。

Flight to digital and omnichannel
「デジタルとオムニチャネルへの逃避」
というテーマで下記のチャートが載っています。

More people expect to make a portion of their purchases online post-COVID than before


コロナ後は、多くの人々が以前よりもオンライン購買をしようとしている

下記のスコアは「コロナ禍が収束した後でも、引き続きオンライン購入を続けようと思うかどうか?」というマインドを「各国毎×各カテゴリ毎」にコロナ前と比べた「%の変化」で表現しているようです。

ざっくりと次のことが読み取れます。

・コロナ禍が終わっても「オンライン購入」へのシフトは止まらない
・USやUKでは「ほとんどのカテゴリ」でオンライン化が進む
・USやUKではコロナ禍が終わっても、Groceries(食料品)すらオンライン化がすすむ
・Germanyと日本だけが「Groceries(食料品)はリアル店舗がいいな、、」と思っているようだ
・欧米の中では「Germany」だけが毛色が違って、むしろ「Germany」と「Japan」は似ている
・Fitness&Wellnessに関して「Japanがリアルを求める度合い」と「Koreaがオンラインに移行する度合い」があまりに対照的すぎて、ちょっとゾッとするレベル(どちらかがヤバイね、きっと)

「いつか役に立つかも英単語」としてomnichannelを取り上げておきます。

omnichannel(オムニチャネル):リアル店舗とネット店舗の連携や融合

これは、マーケ界隈の人は10年くらい前からバズワードとして使っていますが、一応wikiの定義を載せておきます。

顧客があらゆるチャネル(販路、顧客接点)から購買ができるよう流通経路をつなげること。テレビ、ラジオ、ダイレクトメール、カタログ、といった従来の販路に加えて、近年ではコンピューターや携帯電話、スマートフォンなどを介したインターネット通販が急成長しておりそのすべての販路と流通経路がシームレスで繋がることを強調した小売り戦略である

要は、どこからでも、いつでも顧客が欲しいものをオーダーできるような「カスタマー体験」を提供しよう、という動きですね。

で、Covid-19によって「自宅からオーダーしたり、自宅で仮想的に商品をビューイングしたり」する需要が高まったから、omnichannelの重要性が再認識されて、冒頭の「Flight to digital and omnichannel(デジタルとオムニチャネルへの逃避)」という表現に繋がっているわけですね。
Beforeコロナは「Analog and Brick and Mortar(アナログとリアル店舗)」でどうにか価値を出せていたり延命したりしていたところに、コロナが最後の「ダメ押し」をしているよ、ということですね。
この動きが加速したことによって、Digital and omnichannelへの対応をしていない小売りは、爆死しつつあるわけです。。。イマココですね。

 


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE) ◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp ◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp ◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp <いわゆる経歴> ・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)   著者ページへ

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