GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
先週に引き続き、自動車業界の最新トレンドという視点で、Deloitteが発表しているレポートを見ていきます。
今週の記事はこれ。
2024 Global Automotive Consumer Study
(2024年のグローバル版自動車消費者研究)
https://www2.deloitte.com/us/en/pages/consumer-business/articles/global-automotive-consumer-study.html
下記の4つのトレンドがあげられています。
Trend 1: Vehicle electrification
Trend 2: Future vehicle intentions
Trend 3: Connectivity
Trend 4: Vehicle subscriptions
先週は、「Trend 1: Vehicle electrification」を見ましたので、引き続き「Trend 2: Future vehicle intentions」に移りたいと思います。
Trend 2: Future vehicle intentions
(将来の自動車購入意向)
Price tops the list of factors driving the choice of vehicle brand for consumers in developed markets, including Germany, Japan, and the United States; while vehicle performance (China and South Korea) and product quality (India) are top of mind for consumers in other global markets.
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ドイツ、日本、米国を含む先進国市場の消費者が自動車ブランドを選択する要因のトップは「価格」であり、その他のグローバル市場の消費者は「車両性能」(中国、韓国)と「製品品質」(インド)を重視している。
各国の消費者が「どんな点を重視」して車を選んでいるのか?という国際比較データです。
・価格、品質、性能を重要視するのは各国共通である
・中国では「価格」はトップ3の要素に入らない代わりに「ブランドイメージ」が重視されている
・インドでは「特徴(Vehicle features)」と「ブランドイメージ」が重視されている。なお、「広告」を重視するスコアもインドが最も高い
・日本は概ね欧米や韓国と類似傾向であるが「所有体験の質(Quality of overall ownership experience)」のスコアが著しく低い
こんな感じでしょうか。
上記で触れられていた、Quality of overall ownership experience(全体的な所有体験の質)といった概念は、確かに日本人的にはあまり馴染みがないので「それを重視しています」とは答えにくかったのかもしれません。
これがただの「言葉のあや(翻訳の問題)」で選ばれづらかっただけなのか、それとも日本人には「Quality of overall ownership experience」という概念が著しく欠落している(または、重視されにくい)のか?
この部分が、マーケティング的にはとても重要な論点なのかもしれない、と思いました。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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