GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
引き続き、Lighthouseという欧米のホテルマネジメントサービスが「ホテル&ホスピタリティ業界の動向」をまとめている記事がビジネス的に参考になりそうなので、読んでみたいと思います。
今週の記事はこれ。
The top 10 travel and hospitality trends that will shape 2025
(2025年に表出するホスピタリティのトレンドトップ10)
https://www.mylighthouse.com/resources/blog/top-10-travel-and-hospitality-trends-2025
トップ10のトレンドは下記の通りです。
1.Consumer caution continues into 2025, but the desire to travel remains
2.Optimism grows for Asia-Pacific hoteliers amid rising travel demand
3.India’s luxury hotel sector: A star on the rise
4.The steady advance of short-term rental growth
5.The evolution of event-driven travel: New patterns emerge
6.The rise of authentic travel beyond tourist hotspots
7.AI adoption will transform Revenue Management
8.The rise of Total Revenue Management and the search for ancillary revenue
9.Personalization will be the new standard in 2025
10.The distribution landscape in 2025, one of evolving challenges
引き続き「6.The rise of authentic travel beyond tourist hotspots」を見ていきたいと思います。
6.The rise of authentic travel beyond tourist hotspots
観光地を超えた本物の旅の台頭
A powerful shift is reshaping travel preferences in 2025: the search for authentic, personal experiences is moving from niche to mainstream. Travelers are increasingly venturing beyond traditional destinations, seeking genuine connections and unique moments.
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2025年、旅行の嗜好を再構築する強力な変化が起きています:本物で個人的な体験を求める動きがニッチから主流へと移行しているのです。旅行者はますます伝統的な目的地を超え、真のつながりとユニークな瞬間を求めて冒険しています。
旅行の嗜好性が変わってきているよ、という示唆です。
いわゆる「ベタな観光地」ではなく「地域・伝統に触れられるようなユニークな場所」を求める、という変化です。
Insights from other leading travel companies further highlight this trend. Skyscanner’s research found that over a quarter (26%) of global consumers plan to visit less touristy or crowded areas in 2025.
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他の主要旅行会社からの知見もこの傾向をさらに浮き彫りにしています。スカイスキャナーの調査では、世界の消費者の4分の1以上(26%)が2025年に観光客が少ない、あるいは混雑していない地域を訪れる計画があると判明。
1/4が「観光客の少なさ」を重視して計画を立てているわけですから、「まだ観光客が押し寄せてない場所」であることを、いかに局所的にPRするか?
というのが適度な集客戦略になりますね。
Similarly, Expedia survey data revealed that 63% of travelers would consider detouring from major destinations to explore lesser-known locations. Hilton’s 2025 trend survey also noted that a quarter of respondents are seeking unique experiences, while a fifth are prioritizing outdoor activities.
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同様にエクスペディアの調査データでは、旅行者の63%が主要目的地から外れてあまり知られていない場所を探索することを検討すると回答。ヒルトンの2025年トレンド調査でも、回答者の4分の1がユニークな体験を求め、5分の1がアウトドア活動を優先していると指摘されている。
エクスペディア調べだと1/4どころか「63%が主要目的地から外れた未開の場所」を求めているわけですから、流れとしては「まだ知られていない場所」が、「知る人ぞ知る場所」になり、いずれ「オーバーツーリズムの場所」になる、という構造ですね。
地域が「観光客が来ないよりは、オーバーツーリズムの方がまだありがたい」
というコンセンサスをきちんと取れるか?
が地方行政の論点となりそうですね。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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