【vol.223】2022年「小売業界」のトレンドの話(リアル店舗)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週から「小売業界」の2022年のトレンドの話を読んでいます。
Retail EconomicsというUKの小売業界専門情報有料サイトの無料記事から紹介していきます。

今週の記事はコレ

5 Key Retail Trends in 2022
2022年の小売業界5の主要な5つのトレンド
https://www.retaileconomics.co.uk/retail-insights-trends/five-key-retail-trends-in-2022

全体のサマリーインタビューが動画になっているので、一応載せておきます。

記事本文では、下記の5つのトレンドが取り上げられています。

Trend 1: Digital Dependency
Trend 2: Rebalancing Physical Retail
Trend 3: Supply chain disruption
Trend 4: Path to Net Zero
Trend 5: Protecting Profitability

先週の「Trend.1: Digital Dependency」に引き続きやっていきます。

Trend 2: Rebalancing Physical Retail
(リアル店舗の盛り返し)

Those looking to spend more in physical locations intend to do so in local destinations.

リアル店舗でのショッピングを考えている人たちは、より地元の店舗で購入することになる。

パンデミックからの回復過程にあった2021年ですら、都心のショッピングセンター【shopping centers (-39.6%)】や都心の大通りの店舗【high streets (-38.8%)】での売上は大幅に落ち込んだままだけれども、郊外のショッピングセンターの売上はほとんど落ち込んでいない【retail parks (-3.6%)】というデータが示されていました。

さらに、下記のグラフを見てみます。

2021年の「どこでの買い物を増やしたいか?」についてのサーベイ結果だと思いますが、これを見ると

1位 購入場所は変えない(43%)
2位 オンラインで(24%)
3位 地元の店で (17%)
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下位:都心部・街なかで(4%)
下位:郊外のショッピングセンターで(4%)

このようになっているので、パンデミック時から引き続き「オンラインショッピング」は主流の座を確立していくが、それに続き「地元の店での消費」も、主流の一部を形成することになりそうです。
本文のタイトルにあった「リアル店舗の盛り返し」とは、換言すると「ローカル・地元の店舗が都心の店舗に取って代わる」ということですね。

具体例として「地元リアル店舗の盛り返し」を実現するためのポイントが記載されていました。

Pop-up shops and white box spaces that create a healthy churn of independent retailers (relevant to the local communities they serve) can drive sustainable levels of footfall and revitalise tired areas.

地域や地元社会に関連したポップアップショップやレンタルスペースは、独立系の小売業者が、疲弊した地元社会を活性化するための健全な方法論となります。

地元の空き店舗やレンタルスペースなどを活用して、個人店などが、地域に根ざしたポップアップストアや期間限定店舗を展開して地域の顧客の「地元買い物ニーズ」を捉える、という動きが活性化されるようです。

既に欧米では活発化している動きなようですが
【本業】はサラリーマンとしてリモートワークでこれまでの会社に従事
【副業】として地元で貸店舗などを友人と共同レンタルして、本業の空き時間を活用して、副業として事業を育てていく、という枠組みです。

副業の事業が地元で育って行って本業の収益を凌駕していく、そんな「地元の事業主」をたくさん輩出できた「地方エリア」が脚光を浴びる時代が来るのかもしれません。本来的な「地方創生」ですね。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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