漢字ってのはすごいやっちゃと、常々から思っている。
なかでも漢字を構成する部分を、「偏(へん)、旁(つくり)、冠(かんむり)、脚(あし)、構(かまえ)、垂(たれ)、繞(にょう)」の七種類に分け、組み合わせて表現するやり方には関心させられる。
たとえば、「たい」「たら」「いわし」「こい」「こち」「ぶり」と書いても日本語を知らなかったり、覚えたての人にはわからない。しかし、漢字で
鯛
鱈
鰯
鯉
鯒
鰤
と書けば、これらが「魚」というグループに所属するなにかだということがわかる。魚がなにかを理解すれば、あとは芋づる式に理解は進んでいく。
こうした考え方は、意識的にか無意識的にか、さまざまなところで使われていて、わかりやすいところでは企業がそうである。三菱や三井、住友などの財閥系はもちろん、グループ企業をもつほとんどの企業が、この方法(偏が所属する企業、旁が事業領域を表現)を採用している。
リクルートキャリア
リクルートジョブズ
リクルート住まいカンパニー
リクルートマーケティングパートナーズ
リクルートライフスタイル
リクルートマネジメントソリューションズ
といった感じ。
Apple社の強固なブランドを支えている商品群も、これに近い考え方だ。
iMac
iPod
iTunes
iPhone
iPad
iCloud
新製品を開発する度にネーミングを考えている会社よりも、はるかに効率的で効果的であるように思える。
私は、スティーブ・ジョブズがシリコンバレーだかトーキョーだかの寿司屋で、この発想に辿りついたのではないかと勝手に想像しているのである。