今週は。
仕事でお付き合いのある女性が
所属する会社から独立することになり、
社名開発のお手伝いをさせていただいた。
彼女が思い描いている社会の姿は、
就職し、結婚、3人の子どもを育てながら
キャリアを積み重ねている
自身の経験を踏まえたもので、
彼女の言葉を借りるなら、
「働く、暮らす、学ぶ、遊ぶを
もっと自由にデザインできる社会」
ということになる。
彼女は、生活や人生を構成する
上記の4つの大きな要素のなかで、
起点となるのは「働く」であると考えている。
そのために
「働くことに夢中になれるような環境をつくる」
ことをミッションにあげ、
新会社はまず企業内における様々な業務の
代行業からスタートする。
数度のミーティングで
彼女がめざすところをお聞きして、
『ワカルク』という社名を提案させていただいた。
働くにかかわる会社はごまんとあるので、
これはと思う案でも検索すると引っ掛かって
(すでに同じ社名で登録がある)しまう。
昨今のネーミング開発の難しいところであるが、
言葉をひっ散らかして、煮詰まったあと、
一度肩の力を抜くと、思考にすき間ができ、
風が吹くように
“それ”がやってくるケースが多い。
❶彼女がつくりたい会社を一言でいうなら?
↓
❷働くことを、明るくする会社。
↓
❸ワークを、あかるく。
↓
❹ワーくを、あカルク。
↓
❺ワカルク
というプロセスなのだが、❷が出た段階で、
あとはスッという流れであった。
ほかの候補案と併せて
プレゼンをさせていただいた際、
彼女の選択理由のひとつが興味深かった。
「クライアントと仕事をするとき、
私たちって、きっとリクルートさんとか、
テンプさんみたいに、社名で
呼ばれることが多くなると思うんですよね。
そんなシーンをイメージすると、
ワカルクって、なんだかいいです。
働くを明るくするワカルクさん。」
と、こんなふうに仰ってくれ、
提供するサービス名にも
WAKARUKUとして採用いただくことになった。
日本には企業を“さん付け”で呼ぶ文化がある。
英語のCORPORATIONを
「法人」と訳したときから、
企業という存在は人格を伴うもの。
翻訳者はきっとそう考えたのだろう。
企業名をネーミングする際、
出来上がった案に“さん”を付けてみる。
新しい気づきをいただいた案件であった。