第98回「タクシーアプリ」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第98回  「タクシーアプリ」

徒歩10分の距離が、小さな娘と一緒だと20~25分かかります。我が家では、荷物がある時は特に、タクシーを利用することが多くなりました。
近くにタクシー乗り場がない時は、配車アプリをよく利用します。以前はJapan Taxi(現GO)を使っていましたが、Di Diに変わり、現在はS.RIDEを主に使っています。変更した理由は、必要な時にタクシーが捕まらなかったから。シンプルな理由です。

未来コンパスが指すミライ

国土交通省によると、令和1年における全国のタクシー台数(個人+法人)は約21万台で、10年前に比べて12%減少しています。運転手が高齢化する中で、新卒採用が難航しており、ドライバーが集まらないのが大きな原因のようです。
東京でもタクシー台数は減少傾向にあると考えられるなかで、GOアプリは、近年テレビCMをはじめ広告を積極的に出しています。CM効果でユーザー(需要)は増えているのに、台数(供給)は増えていないので、私が空きタクシーを見つけられなかったのでしょう。

1年前にタクシー運転手さんから聞いた話だと、タクシー台数の割合は、GO:S.RIDE:DiDi=4:4:2とのこと。ざっとググった結果も同じようなものでした。
私が現在利用しているS.RIDEは大々的な広告は打っておらず、急なユーザー増はなさそうなところ、車両数はGOと同じ程度あるので、空きタクシーが見つかり易いのだと思われます。

これは、とても皮肉というか、タクシー会社からすると頭の痛い問題です。
供給が増えていない中で、広告をうって集客をすればするほど、ユーザーがタクシーを捕まえにくくなり、顧客満足度が下がる傾向にあるからです。

この問題を解決するには、「需要予測の精度をあげる」や「タクシーの台数を増やす」といった方法が考えられますが、DiDiはその両面に対応しています。
中国最大の配車サービスを提供するDiDiは、たとえば、「将来の輸送サービス時点の予測分布を求めるシステム(特開2020-173856号)」についての技術を開発しています。
また、2030年までに100万台のロボタクシーを導入する計画を発表しています。もちろん日本に100万台導入されるわけでは無いのですが、2万台くれば10%は自動運転車ということになります。

最近の技術進化のスピードをみていると8年後にロボタクシーが実用化されることは大いにありそうですし、そのころには自動運転に対応する法整備もされていることでしょう。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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