「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第58回 顧客がお店を離れた後も良好な関係性が続く秘密

以前の対談で、お客さんに「信頼関係を築くためのコミュニケーション」と「課題を解決するためのコミュニケーション」を、うまく切り替えながらやっていくのが大事だと仰ってましたよね。

そういうケースが多いんでしょうけどね。でもウチって辞めていった人がとにかく集まるお店なんです(笑)。毎年12月になると、僕の母の誕生日会をするために、昔働いていたスタッフがみんな集結したりする(笑)。

笑。例えば、カラーやカットは別のお店だけどハウオリだけをウチでやっているお客様とか、最初は親子揃っていらしていたけど、今はお子さんだけ通っているとかも多いんですよ。

なんとも不躾なことをしてしまったんですけど、その方は笑顔で「またそのうちお店に行きますね」なんて言ってくれて。どうしてそんなにナイスに接してくれるんだろうと考えたら、きっと僕はそのお客様といいコミュニケーションが取れていたんだなと。

そうだなぁ。たぶん「お客様としてのコミュニケーションだけ」を取っていたら、こういう関係性は築けないのかなと思うんです。最初の話で言えば、「課題を解決するためのコミュニケーション」ばかりでは、やっぱりどこかで関係性は終わってしまう気がしますね。

そうか。きっと岩上さんは、単なる「客」ではなく「1人の人間」としてコミュニケーションをとっているからこそ、そこに信頼関係が生まれるんでしょうね。つまり「お客さんとしての関係性」が終わっても「人同士の関係性」が続くと。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。