「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第72回 これから生えてくる髪にアプローチする施術?

これまでの対談でも何度も話題にあがっていますが、カラーやパーマってそんなに頭皮に負担があるものなんですか?

そうそう。酸性やアルカリ性の程度を測るpHってありますけど、健康な肌はだいたいpH5.0前後なんです。ところがカラー剤はpH9〜11あって、アルカリ性がかなり強い。つまりカラーをすることで、頭皮の状態が大きくアルカリ性に傾いてしまうわけです。

髪の毛にアルカリ性の薬剤を塗布させると「膨潤(ぼうじゅん)」といって水分を吸収して膨らんだ状態になるんです。そうやって髪の毛のキューティクルを開くことで、髪の毛に色が入りやすくする。だからどうしても、髪の毛と頭皮の両方に負担がかかってしまうわけです。

そうですよね。美容師くらいしか見ない部分ですから(笑)。でもすごく大事なんですよ。以前にもお話ししましたけど、僕は「頭皮=畑」だと捉えていまして。つまり頭皮が健康的だったら、健康的な髪の毛が生えてくるわけです。

仰るとおりです。そもそも「毛母細胞」が元気であれば、しっかりした髪の毛が生えてくるんです。ところがなんらかの理由で毛母細胞そのものの活動が弱ってしまうと、結果やせ細った髪の毛や白髪が生えてきてしまう。

なるほどなぁ。で、そうやって弱ってしまった頭皮を健康にできるのが「ハウオリ」だというわけですね。

ええ。僕はいつもハウオリって盆栽みたいだなと思っていて(笑)。イメージした完成形に向かって、成長を調整していくといいますか。髪の根元からロットを巻いてスチームを当てていくことで、お客様にとっての「理想のフォルム」を作っていけるんです。

ハウオリは盆栽…面白い例えですね! ちなみに私、先日10年程前の自分の写真を見た時に、今と同じようにセットしているはずなのにボリュームが全然違っていて(笑)。それもハウオリをすれば改善されますか?

ロットを巻くのは難しいですが、実はハウオリには「ヘッドサウナ」というメニューもありまして。それなら髪のない頭皮にもしっかりとスチームで水分補給して血行が促進できます。そうやって健康な頭皮を取り戻すことで、もしかすると育毛効果も期待できるかもしれませんね。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。