第82回 マインドブロックを外せば、「似合う髪型」が見つかる

この対談について

「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。

第82回 マインドブロックを外せば、「似合う髪型」が見つかる

安田

岩上さん、突然ですが「その人に似合う髪型」ってやっぱり1つしかないんですか?


岩上

あ〜、そう思っている方は多いですけど、そんなことないですよ。ちなみに安田さんは今の髪型、あまり変えたことないんですか?

安田

そうなんですよ。この髪型は初めて美容師さん側から「これが似合うと思います」って提案してくれた髪型で。で、周りの人からの反応もいいのでそれ以来ずっと同じなんです(笑)。


岩上

確かにお似合いですよ。でもこういう話をされたということは、そろそろ他の髪型にも挑戦してみたくなったってことですか。

安田

仰るとおりです(笑)。でも「今の髪型が自分に一番似合う髪型だったら…」と思うと躊躇してしまうんです。そう考えているお客さんも多いと思うんですけど、どうされてます?


岩上

そうですねぇ。そもそもの話、がお客様への提案で意識するのは、「この変化によって誰か喜んでくれたり驚いてくれるか」ということで。

安田

え、お客さん自身がどう思うか、ではなく?


岩上

もちろんそれも重要ですけど、すべてではないというか。結局人間って、周りの人とどう関わっていくか、どういうポジションで過ごすのか、というのが肝じゃないですか。

安田

ああ、確かに確かに。そうか、「自分が好きな髪型をする」というのも大事だけど、「いい人間関係を構築していける髪型」みたいな観点も重要だと。


岩上

仰るとおりです。要するに「セルフブランディング」ということですよね。周りからどういう人として見られたいのか、という視点であれこれイメージを練っていくんです。…ちなみに安田さんはどう見られていたいですか?

安田

そうですねぇ。周りに経営者の方が多いから、まずは「ちゃんとした人」というイメージを持ってもらいたい。でもそれだけじゃつまらないから、「何かしら面白いことをやってくれそう」というイメージも欲しい。そのバランスが難しいんですけど。


岩上

なるほどなるほど。確かに「面白さ」に振り切って、とことん奇抜な髪型にするわけにもいかないですしね(笑)。

安田

そうなんですよ(笑)。しかも髪型って一度変えたら簡単には元に戻せないじゃないですか。短髪にした後で「やっぱり切らなきゃよかった」と後悔しても遅いわけで。


岩上

そうなんですよね。それで言うと、洋服や小物などのアイテムで変化を演出するって手もありますよ。

安田

ああ、シャツの色を変えてみたり、眼鏡をかけてみたり、ということですか?


岩上

そうそう。髪型だけでイメージチェンジを完結する必要はなくて、そういうアクセサリーや服装も含めて、トータルでイメージを作れればいいわけです。逆に言えば、髪型の変化を起点として、全身の変化を意識してもらえるようになるといい。そういう意識改革を促すのが僕の仕事だと思っているくらいで。

安田

は〜、なるほど。確かに岩上さんのお客さんって、皆さんユニークと言うか自分らしい雰囲気をちゃんと持っている方が多いですもんね。…いやでもなぁ、やっぱり髪型を変えるってすごく勇気がいりますよ。


岩上

もちろんわかりますよ。だからこそ僕はお客様の「リミットを外すコミュニケーション」も積極的に取っています。

安田

リミット? それはどういうリミットですか。


岩上

「自分にはこの髪型しか似合わない」という思い込みですね。そういうマインドブロックを外すことで、新しい髪型に挑戦しようという気持ちが生まれるんです。

安田

ふ〜む、マインドブロックを外す…それはどうやったらできるんですか?


岩上

もちろんケースバイケースですけど、例えば男性のお客様にあえてショートヘアの女性モデルの写真を見せながら提案したり。

安田

え、男性に女性の髪型を提案するんですか?


岩上

そうそう。同性のヘアカタログを見せても、性別が同じだけに「この人みたいなイケメンだから似合うだけだよ」ってブロックがかかりがちなんです。それが異性のモデルだと変な先入観なく見れるから、意外とすんなり興味を持ってくれたりするんですよ。

安田

へ〜面白い! そういうノウハウがあるんですねぇ。私も女性向けのカタログから新しい髪型を見つけてみようかな(笑)。


対談している二人

岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表

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美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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