「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第84回 美容師の平均年収を1000万円にする方法

実は私は以前から「日本人全体の平均年収をアップさせたい」というミッションを掲げているんです。それで言うと美容師さんの年収も1000万円くらいになったらいいと思っているんですが、岩上さんはどう思われます?

うん、やり方によっては実現できると思いますね。そもそもね、一般的な職業の年収は上がっていっているのになぜ美容師の年収は低いままなのか。その原因ってビジネスモデルが全く変わっていないことなんですよ。

仰るとおりです。だからこそもっと根本的な意識改革が必要だと思っていて。自分たちからどんどんお客様に働きかけていかなきゃいけない。女性は皆さん化粧品にはあんなにお金を使うじゃないですか。それに比べたら髪への投資はまだまだです。そこから変えていかないと。

ああ、確かに。コスメには毎月結構な額をかけているのに、美容室に行くのは半年に1回、みたいな人もわりと多いですよね。そういう状況を美容師自身が改革していくべきだと。…でも具体的に何をしたらいいんでしょうね。

髪のプロとしてのアドバイス、提案でしょうね。それは髪型だけの話じゃなくて、メンテナンスとかスタイリングについてもしっかり教えてあげる。そうなって初めて「髪のことはあの美容師さんに聞いてみよう」となるわけで。

確かに確かに。「髪を切ってもらうだけの人」から「髪のプロフェッショナル」にランクアップするわけですね。…でも美容師さんによっては難しいんじゃないですか? 知識や提案力に自信のある人ばかりじゃないでしょうし。

うーむ、なるほど。ちなみに岩上さんのサロン『マハロコ』では、お客さんに心地よく過ごしてもらうために、どんなところに気をつけているんですか?

もちろんいろんな面で工夫はしているんですが、そうだなぁ、例えばカット予約で来店されたお客様が「やっぱり今日パーマもしようかな」と仰った場合、普通なら「今日は予約がいっぱいなので」って断ると思うんです。

ですよね。でもお客様は「今」パーマをかけたい。「次」はもうパーマをかけたいとは思っていないんですよ。だから僕は「ちょっと待っていただきますが、今日やりましょう」って言うんです。お客様のその瞬間の気持ちにとにかく寄り添う。そういうことを繰り返していくと、お客様も「この人は私にしっかり向き合ってくれている」って信頼してくれるわけです。

まさに仰るとおりです。だから僕のお客様には、最初はカット・カラーで2時間のつもりで来店したのに、ハウオリもパーマも追加して結局5〜6時間も滞在していたっていう方、わりと多いんですよ(笑)。

確かにそこはお店づくりの段階から意識していましたね。お客様のサードプレイスになれるような空間設計をして「長時間滞在を前提としたお店」にしていますので。何時間もいたくなっちゃう空間になっていると思います(笑)。

なるほど(笑)。でもそこまでやれば、美容師さんの年収も上がりそうですよね。岩上さんにそのあたりのノウハウを聞きたい美容師さんがいたら、ぜひお問い合わせしてみてください。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















