「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第89回 美容師に向いている人ってどんな人?

そうそう。今、国内に27万軒近くの美容室がありますけど、実はその約8割が個人サロンなんですよ。そう考えると、上からの指示に従って仕事をするのが難しい人が多いんじゃないかなと。

ええ。もう1つは「幼少期に髪にコンプレックスを抱えていた人」ですね。自分がくせ毛だったとか、毛量が多かったとか、髪質・髪の毛・髪型について悩んできた人。だからこそ作り手側に行きたいと考えるんじゃないかと思うんです。

あんまりいないんじゃないかなぁ。もちろん、小さい頃から誰かの髪をセットするのが上手だった、みたいな人もいるでしょうけど、そういう人も本質的には「髪型に興味があったから」美容師になったと思うので。

確かに客としても、「手先が器用だからこの仕事やってます」って人より、「とにかく美容が好き」という人に切ってもらいたいですもんね。それで言うと岩上さんのお店はすごくオシャレですし、岩上さん自身もファッションやオシャレにも精通していらっしゃるじゃないですか。

笑。でも実際弟さんたちもカリスマと呼ばれる美容師さんだったりミュージシャンだったりするわけでしょう? やっぱり家系的に皆さんアート的なセンスがあるんでしょうね。

確かにそうかもしれません。というのも、僕はお客様から細かく髪型のイメージをオーダーされるのではなく、「いい感じで仕上げてください」って言われることが多いんです。お客さんの要望に応えるっていうより、自分のセンスで勝負している感じというか。

そうでしょう? つまり岩上さんの作る髪型は「アート」なんですよ。だから「価格が高くても岩上さんに切ってもらいたい」というお客さんが集まる。…でもそう考えると、やっぱり美容師さんにも「持って生まれた才能・センス」みたいなものが必要な気がするんですが、そのあたりはどうです?

う〜ん、難しいな。才能やセンスも実際あるとは思います。でもそれよりも、常日頃から「美容師としての意識改革」をする努力をしているか、の方が重要なんじゃないかな。例えば僕、昔「休みの日にゴロゴロ寝ているだけなんだったら、休み取るのは禁止」ってしたことがあって(笑)。

いや、もちろん休息は大事ですよ? でも、例えば美術館に行くとか映画を観るとかゴルフをするとか、そういった「サロンワークのネタ」になるような活動をするべきだと思っていて。お客様から「お休みの日もオシャレなんですね」と言われるようなことを意識的にやろうよ、と。

なるほどなるほど。実際マハロコって独自の美意識がありますもんね。パッと見では美容室だとわからないような。

美容室もほとんどが「あ、ここは美容室だな」ってわかるような「美容室フォーマット」があると思うんです。でも、ウチには多分それがない。それもこれも、一応僕がずっと「美意識」を意識してきたからなのかなと思います。

美容師は「お客様に夢を売る」職業ですから。そういう意味では確かに簡単になれる仕事ではないですよね。でもだからこそ、この道を追求していくのは本当にやりがいがあります。ぜひ若い方にも挑戦してもらいたいですね。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















