コミュ障経営者のギモン その48「『そこまでして』の『そこ』ってどの辺?」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

「そこまでして」の「そこ」ってどの辺?

僕、ボディビルダーの動画を見るのが好きなんです。
僕自身は筋トレとか大嫌いなんですが、トレーニング動画って好きなんですよねー。
その延長ですさまじい身体をしたボディビルダー達の動画(vlogみたいなもの)を見るようになったんです。

皆、すんごい身体してるわけです。
プロボディビルダーの最高峰『Mr.Olympia』って大会があるんですが、そこで活躍するボディビルダーになると身長170cm台にして体重はなんと100kgを超えてきます。
しかも大会時、ピークに持ってきたボディコンディション、そのときの体脂肪率は3%と言われます。
皆さんの身長、体重、体脂肪率をイメージすると、その数字がいかに凄まじいものかわかりますよね?
伝説的ボディビルダーのロニー・コールマンに至っては身長180cm、体重は135kgという巨漢。
それで体脂肪率は3%を切っていたと言われていますから(驚)

でね、こうしたプロボディビルダー達の多くは、(公言はしていませんが)ステロイドユーザーだと言われています。
「えー!そうだったの!!」、「なんだ、やっぱりそうなのか」と驚いたり、がっかりする人もいるかもしれませんね。
僕は使っているものだと思って彼らの人間離れした肉体を見てましたから、驚きもがっかりもないんですけども。
かつて日本を代表するボディビルダーで、現在はアスリートの指導をしてたりする山本義徳さんも現役時代にステロイドの使用を公言していましたから。
ごく少数ですが、こんな風に公言している方もいらっしゃいます。

ただ、一方で、「ステロイドなんてけしからん!」って考えもありますよね。
ステロイドというリスクのあるものに手を出して、そんな危険を冒して、得た成果になんの価値があるのか?
それになんだか卑怯じゃないかッ!
・・・ということが言いたいのかもしれません。

プロボディビルダーはステロイドのリスクを知りながら、使っているわけです。
(ところが『Mr.Olympia』などの大会では基本的に禁止されているという不思議が…)
リスク相応の見返りを期待して。
それは筋肉量だったり、大会での成果だったり、それらから得られる富や名声だったり。
単純な話、「期待する成果のためにリスクを取っている」ということなので、普通のことのように思えません?

ふつふつとギモンが湧いてくるんですよね・・・
随分こじらせたギモンだということは薄々気づいてます。
そもそも、ステロイドは健康リスクがあるのはもちろん、(大会などでは)使用が禁止されていますしね。
何らかのルールがあって、そのルールを違反してまで・・・ってことなんですよね。
つまり、この場合、「そこまでして」の「そこ」は、「ルール(を違反する)」や「健康リスク(を犯す)」なのかもしれません。

じゃあ、ルール違反しなければいいのかな・・・とギモンがわいてくるんです。←面倒くさい性格…

例えば、多くの格闘技では、急所(金的など)への攻撃は禁止されているけど、金的(股間)を蹴るふりはいいんだよね?って。
ルールで禁止されている訳じゃないけど、「金的を蹴るふり」までして、勝ちにこだわるのは駄目なのか?
この場合の「そこ」は、「プライド(をかなぐり捨てて)」とかでしょうか。

どうやら、「そこ」には一般的にネガティブな事柄が入りそうですよね。
毎年1月に餅を喉につまらせての死亡事故が多くなることを知りながら、餅を販売し続ける・・・とか。

ところが、「そこまでして」得た成果によっては、美談にもなり得るかもしれないんです。
例えば・・・
「自分の健康リスクを冒し、腎臓を提供して、娘の命を救った」
・・・とか。
いい話ですよね。
一方ですよ・・・
「自分の健康リスクを冒し、腎臓を提供して、得たお金でパチンコをした」
・・・誰かの命は救われたのかもしれませんが、なんだかなぁ…って感じしますよね。
なお、日本の法律では臓器売買は禁止されておりますので、あくまで極端な例え話ですよ。
ちなみに、臓器提供の謝礼という形で金銭のやり取りがあったりして問題になったこともありました。
もちろん、臓器移植法違反にあたりますので逮捕されちゃいます。

結局、「そこ」にあるリスクのようなものを冒してまで得る価値があった成果なのか?
天秤にかけるリスクにもよりますが、得たい成果の価値の判断は、あくまで一般的に価値があると認められるようなモノ、誇れるモノが推奨されるのかもしれません。

大成功した経営者、例えば立志伝中の人である、Facebookのマーク・ザッカーバーグやTeslaのイーロン・マスクも「そこまでして」って言われまくってると思うんですよね。
でも、出した成果によっては、「そこ」も肯定される可能性はありますよね。

・・・こんなことを考えてるとね、一年があっという間に過ぎますよ。
そして、こんな感じで一年が過ぎていいのか、今から不安です。

 

 

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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