その68「これからは良い椅子をオフィスに用意する時代かもよ」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

 

社内の懇親会(飲み会)ってありますか?
このご時世に何いってんだ!?って方もいらっしゃるかもしれませんね。

実は弊社では、春入社の新入社員さんがいたり、長年アルバイトとして貢献してくれた方が正社員を希望して参画してくれたり、組織が少し変わってきたこともあり、「社内で懇親会でもやろうか」と企画していたんです。
ところが、企画してまもなく、緊急事態宣言が延長になるなど、同調圧力が強まりそうな気配になってきて・・・
そこで、社内でアンケートを取ると、「延期にしたい」という声が半数以上あったようなんです。
残念ながら懇親会は一旦キャンセルとなってしまいました。

こういうのって、中小企業経営者はがっかりしません!?
案外、一番楽しみにしているのが経営者だったりするんで(笑)
もちろん、僕も多少がっかりしますよ。
でも、僕の場合、性格がネジ曲がっているんで、「コロナを口実に堂々と不参加を選択できただけなんだろうな」とかって思っちゃうんですよね。(←友達少ない奴の思考)
だって、例えばですよ、自分の大好きな有名人に会えるようなイベントであれば、緊急事態宣言であっても行くと思うんですよ。
もう、コロナとか関係ないやん、みたいなね。
まぁ、会社の懇親会なんて、経営者が思っているほど魅力はないんですよ。

自宅で仕事をするって、鼻をホジホジしても、おならをしてもバレない、ビデオチャットで下半身パンツ一丁でも気付かれない。
すんごい自由な環境でしょ!?
そんな極楽環境から、会社の懇親会のために、わざわざ出向くってかなり物好きな人ですよね。
でも、今やですよ、懇親会どころか、会社に出勤するのも億劫になっているでしょう?
業種/職種によっては、会社に行く必要がほとんど無くなってますから。

ところで、こんな風に会社に行く必要が無くなっていく中、経営者は「スタッフに出社してもらいたい」って思うんでしょうかね?
全社員の顔を覚えられる規模の小さな会社組織であれば、いつも見ている顔が居ないことに寂しさを覚えるというのはあるかもしれませんが。
スタッフからしたら「知らんがな、キモっ」って感じかもしれません・・・

そういう経営者の気持も分かるのですが、「会社に行く必要はない」と気付いてしまっているスタッフを会社に戻すのは、まぁまぁ難しいと思うんですよね。
かといって、出社する必要性を無理矢理創るのも本末転倒ですから。
つまり、来てもらいたいのであれば、「(自発的に)行きたい」ってなってもらわないといけないんです。
会社に来て欲しい経営者は、「どうやったらスタッフが来たくなるのか?」って本気で考えないといけないってことなんですよね。
そんなこと、今まで考える必要無かったんですけどね。不思議です。

例えば、僕らのようなデスクワークですと、椅子ってかなり大事なんです。
自宅の椅子に2時間も座っていると腰が痛くなったり、疲れてきますから。
だから、良い椅子を用意してあげるというのも、小さいながら「会社に行く」という動機になると思います。
つまり、何らかのソリューションを提供しているってことなんです。
そして、会社(オフィス空間)の在り方も大きく変わるってことなんです。
今まで深く考えてこなかったスタッフに対するソリューションを真剣に考えないといけないのだから。
良いオフィスチェアって最低でも10万円前後します。
だから10脚買うだけでも100万円以上かかったりするんですが、以前なら、そこにそんなにコストを掛けなかったかもしれませんよね?
でも、スタッフに出社してほしかったら(スタッフが出社したいって思うには)、こういうことをひたすら考えていくことになります。
個人的には、オフィスがどんな風になっていくのか、気になります。

まぁ、結果さえ出してくれれば、出社してもしなくてもどっちでも良いよって経営者からしたら、どうでもいい話なんですけどね。
そもそも雇用しないって選択肢もありますから。

ところでこの手のソリューションで思い出したんですが・・・

数年前、『恋するフォーチュンクッキー』のサイバーエージェント版の動画を見たとき、僕は衝撃を受けたんですよね。
おいおい、可愛い子が多すぎやろ!?(驚)と。
つまり、サイバーエージェントさんは、「可愛い子(かっこいい子)に会いたい!」という願望を叶える最も確実な方法として、「会社に行く」というソリューション提案を行っているということなんです!
・・・まぁ、要するに、羨ましい、それだけです。

 

 

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著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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