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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。
人が成長を実感するとき、何で測っているのか気になってしまった
弊社は毎週月曜日に全体朝礼を行っていて、スタッフが持ち回りで担当(ファシリテーター)をやることになっています。
会長の僕も例外なく、順番で担当が回ってきます。
担当者が朝礼の内容も自由に企画できるのですが、先日、新卒入社1年目の社員さんが担当だったんです。
彼女が考えたのは、入社してからの自身の成長を報告するという企画だったようで、四半期に分けて、どんな経験をして、どんな気付きを得たのか、何ができるようになったのか、などをシェアしてくれました。
非常に分かりやすく、皆からも好評で、その日の日報は、彼女の発表についての感想で賑わいました。
その感想の中に「新しい環境での1年目の成長はとても実感できるけど、2年、3年と同じ環境で同じような仕事をしていると、実感できる成長率は下がっていく」というものがありました。
なるほど、確かに、1年目って知らないことばかりだし、仕事に必要なスキル以外にも、会社のルール、仕事の進め方、先輩たちの名前など、覚えることだけでもたくさんありますよね。
それらを覚えたというだけでも成長は実感できそうです。
1年経つと、会社生活で必要なことは覚えてしまいます。
不足しているスキルはまだあるでしょうから、それらは引き続き習得していくことになります。
でも、3年も経てば、毎日の業務に必要なスキルは一通り習得している状態になりますから、成長の実感値を初年度と比較すると低く感じるかもしれませんね。
このケースでは、「新しくできるようになったこと」で成長を測っていると言えますから、年数が経つほど成長を実感しづらくなるのかもしれません。
この成長の実感についての日報を見たとき、僕は趣味の格闘技のことが浮かんだんです。
というのも、7年くらいやってきて、ごく最近、「あれ!?ちょっと成長したかも♪」と実感することが出てきたので。
はい、やっと・・・(汗)
本来、1年目が成長を一番実感できる期間のはずですが、格闘技に関して、僕は全く成長を実感できませんでした。
先輩方と実力差に絶望しましたし、蹴られた足が痛くて足を引きずることになるし、蹴った足は折れるしで、成長どころか至らぬ現実を突きつけられるばかり・・・
この成長の実感についての差、違いって何だろう?って気になってきたんですよね。
趣味の格闘技では「何を指標に成長を測っていたのか?」って。
きっと、「新しくできるようになったこと」ではなく・・・
「できないことが減ってきた」みたいなのが指標だったのかもしれません。
例えば、チェックリストのようなものがあったとします。
普通は、「できるようになったこと」にチェックをつけていきますよね?
この方法だと、0だったチェックが3つついただけでも、3つ分の成長が実感できるわけです。
ところが、僕の格闘技のケースでは、「できるようになったこと」にチェックがついたとしても、「できないこと」を見てますから、全く成長を実感できなかったわけです。
要するに、「できないこと」で埋め尽くされたリストを使っているようなものですね。
リストを見るたびに、「あなたはあれもできない、これもできない」と突きつけられているような気分になってきます。
格闘技では空道(大道塾)の黒帯になり、ようやく(以前に比べ)「できないこと」が減ってきた実感を持てるようになってきた・・・みたいな。
どっちが良いのかわかりませんが、成長を早く実感したければ、「新しくできるようになったこと」を数える方が良いですよね。
そして、2、3年が経って、「新しくできるようになったこと」という指標では成長を実感できなくなってきたとき、「できないことが減ってきた」を指標にしてみるのも良いのかも。
「新しくできるようになったこと」で成長を測る場合、常に新しい何かに挑戦していく必要があるので、良くも悪くも広く浅くなってしまうかもしれません。
・・・飽き性の僕はそっちのが良いのかもしれないけど。
そんな僕は、最近、新しい挑戦をして、できるようになったことがあります。
それは、ルービックキューブの6面を揃えられるようになったことなんです。
でも、「それができたとして、一体どうしたっていうんだ?」という自問に答えられないんですよね・・・
何がしたかったんだろう・・・
著者/市川 厚(いちかわ あつし)
株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/
LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/
<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。