第115回 「キャッシュレス導入は損?それとも得?」
お医者さん
なになに……「医療現場でも進むキャッシュレス決済」か。確かに近所の新しいクリニックがいち早くキャッシュレス対応していると話題になっていた。
お医者さん
実際、キャッシュレスは便利だ。私自身、近所のコンビニに行くときは、スマホだけ持って出掛けるものな。うーん、うちのクリニックでも導入したほうがいいんだろうか。
医療業界のIT化はどんどん進んでますよね。この流れは止まらないと思います。
絹川
お医者さん
まあねえ……それは肌感としてわかるんだけど。でも、手数料を取られるのもバカらしいしさ。……ってあなた一体、どなたです?
はじめまして。ドクターアバターの絹川といいます。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
お医者さん
へえ…そんな仕事があるんだね。じゃあクリニックのキャッシュレス化事情についても詳しいわけだ。
そうですね。とはいえコンビニや飲食店チェーンなどに比べると、医療業界ではまだまだ現金利用の方が多い状況です。導入を渋る理由としては、先生が仰ったように手数料の問題がよく挙がりますね。
絹川
お医者さん
やっぱりそうだろう? 今まで通り現金払いなら手数料はかからないわけでさ。
ただ先生、医療業界の決済手数料って、それほど高くならないんですよ。
絹川
お医者さん
え? そうなの?
はい。コンビニや飲食店と違って、医療の場合は患者負担分にだけ手数料がかかるので、必然的に金額は低くなります。
絹川
お医者さん
ああ!なるほどね。つまり一般の患者さんなら料金の3割に対してだけ手数料が発生するということか。
そういうことです。例えば決済手数料が3%で、10,000円の支払いが発生したとします。コンビニや飲食店なら10,000円の3%なので手数料は300円かかるわけですが、医療の場合は患者負担分3,000円の3%なので、90円しかかかりません。
絹川
お医者さん
売上ベースで考えれば、1%以下ってことか。それくらいなら確かに気にならないかもしれない。
そうなんです。しかもキャッシュレス決済の割合が増えていけば、当然、アナログな現金授受の機会が減るわけで、計算ミスやお釣りの渡し間違いも同時に減ります。
絹川
お医者さん
なるほど、ヒューマンエラーが減るわけだな。しかも、釣銭準備金も少なくできる。
仰るとおりです!さらに言えば、キャッシュレス導入はわかりやすいPRポイントになるので、若い新規患者の獲得にも繋がるかもしれません。
絹川
お医者さん
それはいい!患者さんの高齢化にも悩んでいたんだ。若い人が増えてくれるのは大歓迎だよ。
導入に際しては、システムの使用方法を覚えたりオペレーションの再構築をしたりなど、多少の手間はかかります。でも、トータルで考えれば導入するメリットの方がずっと大きいように思いますよ。
絹川
お医者さん
いいね。ちょっと具体的に相談したいんだけど、お願いできる?
もちろん大歓迎です!
絹川
医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。
著者:ドクターアバター 絹川 裕康
株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。