オンライン資格確認、みんなやってる?〜お医者さんは、なやんでる。 第149回〜

第149回 「オンライン資格確認、みんなやってる?」

お医者さん
お医者さん
オンライン資格確認が義務化されてもうだいぶ経つ。いい加減うちも対応しなきゃな。
お医者さん
お医者さん
とはいえ、システムを変えるのって本当に面倒だ。患者さんだって混乱するし……他のクリニックは本当に真面目に導入してるんだろうか。
そうですね。かなりいいペースで定着してるみたいですよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
えっ、そうなの!?いいペースって、実際どれくらいのクリニックが導入してるの? ……って、あなたは一体?
初めまして。ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふうん。今はそんな働き方があるんだね。それはそうとさっきの話だけど、実際どうなの?
そうですね。オンライン資格確認で必要になる「顔認証付きカードリーダー」については、91%がすでに申し込んでいます。そのうち実際に運用を始めているのが71.1%。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ええっ、そんなに!? うちなんてまだカードリーダーの申込みもしてないのに。
なるほど。先生のクリニックのような状態は全体の9%だけですね。ちなみに、申し込み済みだけど運用開始できていない所は19.9%います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふうむ、これはうちも本腰を入れないとな。……それにしてもあなた、随分詳しいんだね。そんな具体的な数値まで知っているなんて。
ありがとうございます。……と言いたいところですが、これらのデータは厚生労働省のホームページに公開されているものです。都道府県ごとにばらつきがあったりして、なかなか興味深いですよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
へえ〜そうなんだ。僕も後で見てみるよ。でもさ、ぶっちゃけオンライン資格確認って評判悪くない?いろいろエラーが起きてるって話も聞くし。
そうなんですよ。先日も他のお医者さんとそんな話をしていたんですが、マイナンバーカードの保険情報紐づけミスが問題になってますよね。それを理由に運用をストップしたクリニックも少なくないみたいです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど、そんなミスが多発するようじゃ使ってられないもんね。
ええ。ちなみに厚生労働省のデータだと、「環境構築はできているけど運用していない」が7%と出ています。一度運用を始めてストップしたクリニックはカウントされていないと思うので、実際には7%より多いんでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだろうねえ。なんかそういう話を聞いているとますます腰が重くなるよ。義務だから仕方ないってのはわかってるんだけど。
厚生労働省は「全国医療情報プラットフォーム」というのを実現しようとしているんです。オンライン資格確認の仕組みを利用して、全国のクリニックの情報を収集しようとしてるわけですね。「医療DX令和ビジョン2030」にもそのあたりが謳われています。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、なんとなく聞いたことがあるよ。古い考えかもしれないけど、患者さんの個人情報をそんな風に一箇所に集めるのって、どうなんだろうね。
「より良い医療の提供や研究開発に活用する」という風には言っていますけど、実際の本音は「もっともっと医療費を削減したい」ってことなんでしょう。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどなあ……そういう意味じゃ、我々のような医療従事者と国とは、ある意味敵対関係にあるとも言えるよなあ。
確かにそうですよね。保険診療で稼ぐことは、今後ますます難しくなっていくでしょう。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
まったく、頭が痛いよ。今回のオンライン資格確認も、まだ序章に過ぎないのかも。今後も「ああしろこうしろ」と命令が降ってくるんだろうなあ。
なので私としては、保険に縛られない自由診療をオススメしています。遅かれ早かれそちらを選ばざるを得なくなるのなら、早めに慣れておいた方がいいので。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどなあ。今までは考えたこともなかったけど、そういう選択もアリかもしれない。……あなたと話しているといろいろ視野が広がるね。今後本格的に相談させてもらってもいいかな。
もちろんです!お気軽にお声がけください!
絹川
絹川

 

 

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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