お医者さんは、なやんでる。 第29回 「DXの意味、間違っていませんか?」

第29回 「DXの意味、間違っていませんか?」

お医者さん
お医者さん
最近は政府も「DX、DX」と言い始めているな。私のクリニックもそろそろDXに力を入れていくべきなんだろう。
お医者さん
お医者さん
とりあえずDX化できそうな部分を洗い出して、簡単なところから取り組んでいこう。
先生、勉強されていますね。ただ、IT化とDXがごっちゃになっているようです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん? IT化もDXも意味は同じだろう? っていうか君は誰だ?
ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
絹川
IT化とDXの違いは、「手段と目的」と言い換えるとわかりやすいです。IT化が手段で、DXは目的ということです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
手段と、目的?
デジタル技術(IT)の力を借りて、ビジネスモデルや組織体制、あるいは文化や風土などを「トランスフォーム」するのがDXなんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うーむ…わかるようなわからないような。
つまり、DXには「病院をこんな風に変えたい!」という目的が必要だということです。それをIT技術を使って実現するんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど。なんとなくIT化=経費削減のため、みたいに考えていたけど、それだけじゃないっていうことか。
その通りです。たとえば音楽業界では、CDからデジタル配信に変わりましたよね。出版についても電子書籍が頑張っています。デジタル配信にしろ電子書籍にしろ、経費削減につながった部分もあるでしょうが、それを目的として作られたわけではありません。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かに。そもそも「トランスフォーメーション」は変化とか変形とかの意味だものね。
お医者さん
お医者さん
医療で考えると、地域に関係なく受診できる「オンライン診療」もかなりの変化だね。
はい。そのような変化をデジタルの力を借りて意図的に起こすことがDXの本当の醍醐味です。新型コロナウイルスの影響もあり、どの業界においてもビジネスの抜本的なトランスフォーメーションが求められています。その際の救世主がITということなんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどなあ。今までのビジネスモデルの枠内で、経費削減や生産性向上ばかり気にしている場合じゃないってことか。
もちろん経費削減も生産性向上も大切なことなんですけどね。ただ、より視野の広い大胆な変化が必要になっているということです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
枠をはみ出すことは勇気がいるが…それくらいのことが求められている時代だということだね。
仰るとおりです。それに、早めに対応していくことで得られる成果も大きくなります。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだね。うん、君のおかげでだいぶ認識が変わった気がするよ。DXについてもう少し詳しい話が聞きたいんだが、対応してくれる?
もちろんです!実は近々、食事しながら相談に乗るというプランをリリース予定なんです。相談料は無料で、お食事だけご馳走してもらうというユニークなプランです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
へえ、それはいいね!ぜひお願いしたいよ。
わかりました!ではさっそく日程を調整しましょう。
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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