第17回 「逆張りと絞り込みで生き延びろ」
お医者さん
検査結果のデータをもとに、最適な治療とされているものを行う。それが私たち医師のやるべきことだというのはもちろんわかっているんだけど。
お医者さん
でも、なんというか、もう少し「私じゃなきゃできない治療」をしたいんだよな。
確かに、世の中のシステム化が進んだことで、医師ごとの個性は出しづらくなっていますよね。パソコンに症状を打ち込めば治療方針がサクッと出てくる時代ですから。
絹川
お医者さん
そうそう。なんなら患者さんが自分で自分の病名を調べてきたりしますからね。……って、どちら様ですか?
ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
先生は、「自分ならではの治療」をしていきたいんですよね。
絹川
お医者さん
そうなんです。とはいえ、今まで通りの「普通の診察」をなくすわけにはいきません。それを求めている患者さんも大勢いるわけですから。
それならば、特定の曜日だけスタイルを変えるというのはどうでしょう。
絹川
お医者さん
なるほど、確かにそれなら始めやすいかもしれません。ともあれ、スタイルを変えると言っても、どんな治療をしたらいいのか。
こういうときは、「絞り込み」と「逆張り」というのがセオリーです。
絹川
お医者さん
「絞り込み」と「逆張り」?
はい。たとえばデータ主義の逆張りとして、東洋医学などはどうでしょう。
絹川
お医者さん
なるほど。うーん、でも、東洋医学を打ち出している医師は既にけっこういますよね。あまり差別化にならないんじゃないですか?
ええ、そこで重要なのが次のセオリー、「絞り込み」です。
絹川
お医者さん
つまり?
東洋医学すべてでではなく、そのなかの一部をフィーチャーするということです。たとえば、そうですね、「温める」ということに絞り込んでみるとか。
絹川
お医者さん
ふむふむ。確かに、「温め外来」みたいな出し方をすれば個性が出ますね。
「温め外来」いいですね!新しい患者さんも獲得できそうです。
絹川
お医者さん
…でも、だめです。僕にはそこまで東洋医学の知識はないですから。
それなら東洋医学の専門家とコラボすればいいじゃないですか。わたくしドクターアバターは、そういった人材との仲介も得意分野です!
絹川
お医者さん
そうか、コラボか。何も一人で完結する必要はないんですね。もし東洋医学の専門家を紹介してもらえれば、僕の専門の循環器系と組み合わせて、さらに個性的な診察ができるかもしれません。
西洋医学と東洋医学のコラボですね。話題になればメディアからの取材オファーも来るかもしれませんね。
絹川
お医者さん
いや、ワクワクしてきました!ぜひ東洋医学の専門家を紹介してください!
わかりました!すぐに連絡をとってみます!
絹川
医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。
著者:ドクターアバター 絹川 裕康
株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。