お医者さんは、なやんでる。 第41回 「医者が患者を選ぶ時代」

第41回 「医者が患者を選ぶ時代」

お医者さん
お医者さん
はあ……今日の診察は大変だったな。あの患者さん、いちいち文句が多くて大変だ。
お医者さん
お医者さん
かと言って患者さんに「来るな」とも言えないし。そう考えると医者ってかなり不自由な職業だな。
いえいえ、これからはお医者さんが患者さんを「選ぶ」時代ですよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
え? 医者が患者を選ぶ時代だって? ……って、あなたどなたです?
ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふうん。医療コンサルみたいなもの?
そうですね。でも、経営だけじゃなくシステムや人材まで幅広くサポートできるのが強みです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふうん。それで、その「医者が患者を選ぶ時代」ってどういうことなの?
そうですよね、先生のようにキャリアの長い先生ほどピンと来ないと思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うん。患者が医者を選ぶならまだしも、医者が患者を選ぶという発想はないよ。
ええ。だからこそ先生は、厄介な患者さんに困ってらっしゃる。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
……そうなんだよ。来てしまった患者さんは追い返せない。いくら厄介な人でも、医者は診察するしかないんだ。まったく、疲れるよ。
そうですね。確かにこれまでのお医者さんというのは、「病院に来た患者さんを診る」というのが仕事でした。でも、それが少しずつ変わってきた。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
変わってきた?
ええ。でもそれはもちろん、病院に来た患者さんを追い返す先生が増えているって意味じゃありません。そうじゃなくて、「そもそも厄介な患者さんが来ないような仕組み」「先生が診たいと思えるような患者さんが来る仕組み」を考える方が増えてきているということです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
え? そんな仕組みどう作れるの?
やり方は様々ですが、もっとも重要なポイントは「発信」です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
発信? それは論文とかそういうこと?
いえ、そうではなく、患者さん向けの発信です。先生の治療方針、得意分野、あるいは人となりまで、どんどんアウトプットしていくんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
それは……ブログとかそういうこと?
そうですね。ブログでもYou TubeでもTwitterでも何でもいいんです。ただ私が最初のとっかかりとしてオススメしているのが「口コミ」なんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
口コミ?
はい。スタッフさんや既存の患者さん、あるいはご家族や友人でもいいのですが、先生の周囲にいる人に「他の人に話したい」と思われるような情報を伝えていくんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
それって、例えばどんな?
何でもいいんです。むしろ、お医者さんっぽくない情報の方がいいかもしれません。先生の趣味とか、好きな食べ物とか、おいしいレストランの話とか。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ええ……なんでそんなことを言う必要があるの。
先生がどんな人かってことが伝わるからです。「かかりつけの先生から聞いたんだけど」とか「医者をやってる親戚から聞いたんだけど」とか、そんな風に口コミが広がっていく。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
……いや、だって、私の人となりが伝わったって別に集客にはならないじゃない。
そこなんです。「私の病院に来てください!」という<集客>ではなく、「私はこんな人なんです」という<発信>が重要なんです。そして先生からの情報が口コミで広がっていくと、なんとなく似たタイプの方が集まるようになっていきます。それは患者さんも同じなんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
……なるほどね。それがあなたが言う「患者を選ぶ」ということなのか。
そういうことです!もちろん、数日で効果が出るものではありませんが、コツコツとやっていくことで変化は確実に起きてきますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かに自分から情報を発信するという感覚はなかったな。患者さんとも仕事に関係ない話はまったくしないし。
そこの意識を転換させることが何より重要なんです!これからはお医者さんもどんどん自己発信していかないと。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだな。ちょっと意識してみるよ。

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医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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