お医者さんは、なやんでる。 第43回 「医療エンジニア採用のカギは”シェア”にある?」

第43回 「医療エンジニア採用のカギは”シェア”にある?」

お医者さん
お医者さん
医療業界も採用難だな。募集を出してもほとんど応募がない。中でも、医療エンジニアの採用は本当に難易度が高い…。
お医者さん
お医者さん
「医療もシステムもわかる」という人間がまず少ない。病院同士で取り合いになっている状態だから、優秀な人材がポロッと出てくることなんてないし。
確かに、医療のシステム化が進む中で、医療エンジニアに対するニーズは高まるばかりですね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうなんだよ。いろいろなものが自動化してきて、事務系のスタッフは昔より少なくてすむようになった。それなのに、そのぶんエンジニアがたくさん必要になってしまって。トータルの採用費は上がってしまっているという有様だ。……って、あなたは確か、ドクターアバターの絹川さん。
あ、覚えていてくださったんですね!そうです、ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ちょうどいいところに来てくれた。今話したように、エンジニアの確保に苦労してるんだよ。まったく採用できる気がしない。
そうでしょうねえ。先生が仰っていたように、そもそもの絶対数が少ないですから。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうなんだよね。辞められると困るからって、病院側もかなり高い給料を出してると聞く。絶対数が少ない、そのうえ辞める人も少ないとなれば、さすがの絹川さんでもお手上げか。
いや、発想を変えれば意外といけるかもしれませんよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん? 発想を変えるというと?
今の先生の話にヒントがあります。病院側が高い給料を出して辞めないようにしているって話。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん、それがどんなヒントなんだい?
つまり病院は、辞められたら困るから「仕方なく」高い給料を出しているわけですよね。その負担が少しでも減るなら、喜ぶと思いませんか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
…話の順番が逆だよ絹川さん。そういう人材が簡単に見つからないからこそ、高い給料を出すことでなんとか繋ぎ止めているんじゃないか。
そこの発想を逆転させるのです。つまり、複数の病院で医療エンジニアを「シェアする」というのはどうでしょう?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
は? シェア?
ええ。ご存知だと思いますが、ある程度システムの導入が終わってしまえば、医療エンジニアの仕事は「保守」の要素が強くなります。つまり、常時病院にいてもらわなくても、意外と大丈夫だったりするのです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
……確かに、そう言われてみればそうかもしれない。
ですから、たとえば週の半分はどこかの病院、残りの半分を先生の病院で勤務する、ということもできそうじゃありませんか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
! なるほど! シェアというのはそういうことか。
現在よりも数割高い給与を提示すれば、その方も納得してくれるはずです。それでいて、支払いは2つの病院で分割できるわけですから、1病院あたりの負担は相場よりも低くなります。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
う〜む、なるほど。人材をシェアすることで人件費もシェアするということか。そんなこと考えたこともなかった。
医療エンジニアは確保できているが、その人件費に苦労している病院。そんな病院があれば、きっと興味を持ってくれると思いますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かにそうかもしれない。よし、ちょっとそういう病院がないかリサーチしてみよう。
ええ、もし私の知っている病院でそういうところがあれば紹介します。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
それは助かる! ぜひ頼むよ!

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医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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