第47回 「今こそメディカルツーリズムを」
お医者さん
地方の人口減少が無視できないレベルになってきたな。このままじゃうちの患者もどんどん少なくなってしまう。
お医者さん
ともあれ、そもそも医療は「待ちビジネス」だ。この流れは我々医師に止められるものではないのだろう。
確かに、人口がどんどん減っている中、患者数をキープする、まして増やしていくのは簡単ではないですよね。
絹川
お医者さん
ああ。東京一極集中の動きもさらに強まっている。我々のような地方の医者は悲惨だよ。って、あなた一体どなたです?
初めまして、ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
今日は電子カルテの導入でこのあたりに出張でしたので、ご挨拶に。
絹川
お医者さん
ふうん。ということは、このあたりだけじゃなく、全国の病院事情を知っているってことか。せっかくだ、何かアドバイスをもらえないかな。
そうですね。ときに先生、「メディカルツーリズム」ってご存知ですか?
絹川
お医者さん
ああ、医療目当ての旅行だろう? 日本の高い医療技術を求めて、海外から患者がやってくるやつだ。
そうですね。ただ、実際には医療「だけ」が目的の旅行でない場合もあります。観光を楽しむ合間に病院にもちょっと寄ってみよう、くらいの旅行者もいますよね。
絹川
お医者さん
まあそうだろうけど、それが何か?
私が提案したいのは、「国内版メディカルツーリズム」です。
絹川
お医者さん
は? なにそれ?
つまり、観光と医療をセットにした集客です。
絹川
お医者さん
あなた一体何を言っているの? 観光と医療をセットにする?
ええ。これは実のところ、昔からある手法ですよ。たとえば湯治(とうじ)っていうものがありますよね。温泉に浸かることで治療をするっていうあれです。現代版の湯治ツアーを企画したら、興味を持つ方は多いんじゃないでしょうか。
絹川
お医者さん
うーん? そうなのかな。
あるいは、最近はヨガやスパ、マインドフルネスなども流行っています。そういった分野と医療サービスは相性がよさそうですよね。ソロキャンプにはまっている人も多いと聞きますし、たとえば「心も体も整える、健康診断付きソロキャンプツアー」なんてどうでしょう。
絹川
お医者さん
ああ、観光と医療をセットにするって話がなんとなくわかってきた。医療を何かと組み合わせることで、新しい価値を生み出そうということなんだね。
仰るとおりです!医療と何を組み合わせるのか、それは無限に考えられますよね。さらに言えば、先生の関わり方だって自由なんです。必ずしも病院にいて診察をしていなければいけないわけじゃない。
絹川
お医者さん
ん? どういうこと?
たとえば、山登りが趣味の先生なら、自らがガイドとなって山登りツアーを企画したっていい。グルメな先生が地元の美味しいレストランを紹介したっていい。それと自分の病院での診察をパッケージにすれば、趣味と実益を兼ねた新しいプログラムができちゃうわけですよ。
絹川
お医者さん
! なるほど!
そういうユニークな試みを続けていれば、他県の旅行者が「メディカルツーリズム」として来てくれることもあるような気がしませんか?
絹川
お医者さん
確かにそうかもしれない。何より、こうして指をくわえて待っているよりずっと前向きだね。
そうなんです。先生にしか作れない企画を考えてみてください!
絹川
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医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。
著者:ドクターアバター 絹川 裕康
株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。