この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。
本日のことわざ
「禍福は糾える縄の如し」
うわ!今回も漢字むずかしくてよめない
「かふくはあざなえるなわのごとし」
あざなえる!縄がより合わさった、交互に絡ませた状態を表す言葉だって。
【禍】という言葉は、不幸を引き起こす原因や災難を表す言葉。
そういう意味だったんだ!最近よく使うようになった「コロナ禍」
渦中の意味かと勘違いしてたよ。確かに「か」の字が違う!
幸せと不幸は表裏一体、紙一重だということわざ。
あ~これ、ホントそう思うわ。最近の話をしてよいかい?
OK
うちの業務は資格がないとできない仕事でさ、消防設備士は国家資格なので。自分で勉強して受験しないと取得できない。でも設備ごとに全部で8種類あってさ、それ全部取らないと仕事できないとなると、もう成り立たない。そこで。
そこで?
消防設備士をひとつでも所持していれば、すべての設備を点検することができる「点検資格者」という、数日間受講して取得できる資格があるのよ。
ほう
会社でその点検資格者の受講料は負担、もちろん6日間の受講期間についても出勤扱いで給与も支払っている。結構高額なのよ。
ほう
でさ、昨年の春に入社した人たちで、そこの営業所のひとりは、昨年の12月にめでたく「点検資格者」取得。別の方は二級建築士を持っていたので建築基準法の法定点検ができる資格を受講してもらった。これでこの営業所は年明けからいよいよフル始動!
いよいよここからだネ
そう!未経験の人は初年が大変で、技術的な基本所作を教えるために、通常かかる点検の人数にプラスして物件に入ってもらう。
育成コストがかかっているダネ
そう!だから未経験者を受け入れない同業の会社も多いんだよ。
じゃ、昨年春に入社した方々やっと今年から利益を生み出すというワケだな。
そう、頑張ってくれていたなと思っているので、12月の賞与も結構だした。そこの所長にも2.5カ月分くらい出したな~。新人さん育成ありがとうも含めてね!
儲かってんな
・・・
どした?
年明け早々、退職しますとメールが・・
ありゃま!メールかいな
所長から、自分と他の人もと辞めますと。電話してもでなくてさ。
そこの人たち全員退職なのか?
いや、去年の新卒の女の子だけは残るって。
資格は?
その子だけまだ取得できてない。
繰り返してんな~おたくの会社。資格そろった途端に辞めちゃうってやつ。しかも長く勤めていた所長もかいな。
なんか、去年の秋くらいから、有休で連休とったり不自然な休みが多かったので気にはなっていたのだけどね。まとめて「辞めます」の時は、毎回そういう不自然な連休を取り始めるという共通の傾向がある。そう、ほんとにさ~多いんだよ。まあこの業界あるあるなんだけど。
独立もしやすいってのもネックだな。常に人不足の業界だもんなあ。
うちは資格の取得や技術の勉強会やら社員のスキルアップになることをやっているのだけど、それがねえ、、裏目にでちゃうとは。もう思い切って・・
学校にしちゃえばww
ホントに思ったよ!いぜん、職業訓練校に申請しようかと思って自治体に相談したよ。忙しくて手が回らなくてやめたけど。
なんか、話が「ことわざ」から脱線したままだな。
そうだ!言いたかったのはね、
何だ?
夕べ、社内のSNSにね、工事課から投稿があって。
ほほう
社内の研修室に、「新しくまた設備をつけました!」って。
おっと、前向き!
実は先述の所長の他に、昨年末は別の営業所の所長も急に辞めたりして長くいた管理職が相次いで退職して、残った社員やパートさんに負荷がかかっている状況で、かつやっぱりネガティブな空気になってしまいそうなところに・・・
希望の光☆
そうなのよ・・必死なの!ここでなんとか頑張って、新卒や新人さんにどんどん技術を教えていこうって!そういう社員たちが残っている事で・・ほんと泣けてくる・・ありがたくて。
ここで、本日のことわざ「禍福は糾える縄の如し!」
そう、本当にこれで強くなると思う。これまでも、一見ネガティブに思えた事が実はその逆だったという事が、本当に多かった。幸も不幸も表裏一体ということ。
まさにその通りだと。だから、むやみに不安になったり落ち込んだりする必要はないなと。
幸も不幸も背中あわせということは、中国の「史記」をはじめ、たくさんの国で昔から言われている。「幸と不幸はおなじ棒の上をさまよう」ドイツ、「幸福と不幸は手をつないでいる」エストニア、「幸せとかなしみは同じソリに乗ってくる」ロシア。
やっぱりこれも、地球の法則のひとつなのですかな、ほひほひさん?
YES!
よし!元気出たぞ。
著者について
黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/
数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。