この対談について
健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。
第41回 白い砂糖より、ハチミツを
第41回 白い砂糖より、ハチミツを
以前から久保さんは「白い砂糖ほどカラダに悪いものはない」と仰っていますよね。
ええ。この対談の中でも、度々そういうお話をさせていただいていますね。
そこで私は「ハチミツはどうなんだろう?」と思ったんです。というのも、「毎日ティースプーン1杯のハチミツで健康になれる!」というような話をよく聞くので。
うーん…そうですね。ハチミツって非常に奥が深いので、私がお話するより、この場に「蜜売人」をお呼びしてお話を聞くのがいいのかもしれません(笑)。
みつばいにん? なんですか、それ(笑)。
蜜を売る人、で蜜売人。ワインのソムリエのように、ハチミツに造詣が深い専門家のことをそう呼ぶんです。
へぇ! それは知りませんでした。
とはいえ、私個人としてもハチミツはカラダに悪いものではないと思っています。
やっぱりそうなんですね! ハチミツにもいろいろな種類がありますが、ハチミツなら何でもカラダに良いのでしょうか?
天然のハチミツであればそう言えるかもしれませんね。というのも、ハチミツという名前で売られているものの中には、砂糖や水飴などを後から加えたものもあるからです。
え、それはもうハチミツじゃありませんよね。人間が加工した蜜、つまり人間蜜だ(笑)。
笑。正式には「加糖ハチミツ」といって、スーパーなどで1kg1000円くらいで売られています。天然ハチミツの独特の香りや味を、砂糖などを加えることでマイルドにしているんですよね。実際、料理などにはこちらの方が使いやすいと言われています。
なるほど、クセを弱めているわけですね。でもそれだと普通の白い砂糖とあまり変わらない気もしますが。
ええ、私もそう思います。ですからやはり摂るならばオーガニックの「天然のハチミツ」をオススメしますね。もっとも、その天然のハチミツにも種類があって、「加熱」と「非加熱」があるんですけれど。
ああ、そうですよね。私は断然、非加熱のハチミツが好きです。そちらの方が美味しく感じます。
同感です。非加熱のハチミツは美味しくて香りがいいだけでなく、生きた酵素や栄養素もたっぷり含まれている。そういう意味でもより一層、カラダに良いと言えるのではないでしょうか。
なるほど、加工品と違って、酵素や栄養素がそのまま残っているんですね。
そういうことです。ところでハチミツと言えば、1歳未満のお子さんには食べさせない方がいいです。「乳児ボツリヌス症」にかかって、最悪の場合死に至ることもありますので。
ああ、ニュースなどでもたまに聞きますよね。それは加熱したハチミツでも同じなんですか?
はい。ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱程度では死滅しないんです。ですから「とにかく1歳を過ぎるまではハチミツは食べさせない」という認識でいいかと思います。
なるほど、わかりました。逆に言えば、ある程度の年齢になれば大丈夫ということですよね。
まぁそうなんですけど、ハチミツも「糖」には違いないので、摂りすぎは良くないですよ(笑)。
そりゃそうか(笑)。私は甘い物が大好きなので、お砂糖の代わりにハチミツをたくさん食べようと思っていたんですが…(笑)。
笑。とは言え、ハチミツは「複合糖」といって、ミネラルや栄養素、酵素といった素晴らしい成分がたくさん入っています。白い砂糖などの「純粋な糖」のように、摂取後すぐに血糖値をガンと上げることもないので、カラダの中で悪さすることも少ないですよ。低GIの物を選べばベターですね。
なるほど。じゃあ、料理で使う砂糖をハチミツに代替するのも良さそうですね。
ええ、良いと思いますよ。ところで安田さんはハチミツ専門店に行かれたことはありますか?
はい、あります。初めて行った時は、ものすごくいろんな種類のハチミツがあることに圧倒されました(笑)。味や香りや色なんかも、それぞれ全く違うのが面白いですよね。
わかります。オーガニックのものを買うにはやはり専門店がお勧めですね。あと、専門店だと「レモンを漬けるならこれ」とか「ぶり大根にはこれ」といったように料理のレシピや用途に合ったハチミツを紹介してくれるんです。
そうなんですか! 確かに煮物にちょっとハチミツ入れるだけでコクが全然変わるなぁと思ったことはありますが、もしかするともっと美味しくなる種類があったのかもしれないですね。
私もお店で「魚の煮付けに合うハチミツ」を教えてもらったことがあるんですが、いつもと全然違って本当に美味しくて。もっと早く試していたらよかったなと思いましたね。もったいないことをしたなぁと(笑)。
笑。ちなみに健康人生塾の塾長でもある久保さんは、普段どのくらいの頻度でハチミツを摂っていらっしゃるんですか?
先ほど言った通り料理に使うこともありますが、甘味料代わりに日常使いすることはないですね。ただ、マヌカハニーにはしょっちゅうお世話になっています。
マヌカハニーですか。最近よく聞きますけど。あれはいったいどういうものなんでしょうか?
ニュージーランドの一部地域に生息している「マヌカ」という木の花から取れるハチミツです。ものすごく殺菌力が高いと言われていて。
ハチミツに殺菌力があるんですか!
普通のハチミツにも殺菌力はあるんですが、マヌカハニーはその10倍くらいの殺菌力があるらしく。だから急性の炎症にすごく効くんだと、蜜売人から教えてもらったのをキッカケに摂るようになりました。
へぇ、そうなんですね。それは直接食べるんですか?
そうですね。喉の中をコーティングするようなイメージで飲み込む感じです。例えば風邪の引き始めの時って喉がイガイガしますよね。そのときに喉を潤すようにマヌカハニーを食べる。すると喉の症状も収まるし、風邪にもならないで終わることが多いんです。
ほぉ。なんだか薬みたいですね(笑)。
確かにそうですね。実際、ニュージーランドでは「メディカルハニー」と呼ばれることもあるそうですよ。
実は私は毎朝、ヨーグルトを食べているんですよ。久保さんの教えを守って「無糖」のヨーグルトを。でも全然美味しくないので(笑)、ハチミツを入れて食べているんです。
そうでしたか。お砂糖を意識的に減らそうと努力されているのはとても良いと思いますよ!
ありがとうございます(笑)。だから今日のお話を聞いて、ハチミツがカラダに良いということがわかってホッとしました(笑)。
笑。もし機会があればぜひ専門店で、ヨーグルトに合う低GIのハチミツをオススメしてもらったらいかがですか? きっと毎朝のヨーグルトがさらに美味しくなると思います!(笑)
対談している二人
久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家
仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。