この対談について
健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。
第81回 冷蔵庫でドロドロになってしまう野菜
第81回 冷蔵庫でドロドロになってしまう野菜

以前「健康な野菜は冷蔵庫に入れておいてもドロドロにならない」って仰っていたじゃないですか。

そうですね。そもそも一般的なスーパーで売られているお野菜って、「慣行農法」で作られている野菜なんですね。

ええ。農水省の指導に従いながら、決められた範囲内で農薬や肥料を使って育てる農法をそう言うんです。で、慣行農法のそもそもの目的は「化学肥料を使うことで効率よく作物を育てる」こと。具体的には、窒素・リン酸・カリの3つの栄養素を人為的に加えるわけですね。

仰るとおりです。しかもハウス栽培で温度を適温に保たれていたり、農薬を使って害虫からも遠ざけて…と、とても「恵まれた環境」で育てられている野菜が、スーパーに並んでいるわけです。

そういうことです。野菜は古くなって水分が抜けていくときに、細胞自体も縮んでいくんですが、薄くて弱い細胞壁は壊れやすいので、細胞内の水分を保てずどろっと出てきてしまう。これが「野菜がドロドロになる」からくりなんです。

ええ。それが「自然農法」と呼ばれる方法で育てられた野菜です。とはいっても、今の日本で自然農法をやっている農家さんはかなり少ないんですけれど。

そうなんですね。じゃあ私のように、単に長生きをするんじゃなくできる限り「健康寿命」を保ちたいと考えている人は、慣行農法で作られた野菜は食べない方がいいってことになりますか?

いやいや、そこは誤解していただきたくなくて。というのも今って慣行農法でなければ日本の農業って成り立たないんです。農薬も化学肥料も全く使わずに大量の野菜を安定して供給できるかと言われれば、それは無理だと言わざるを得ない。
対談している二人
久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家
仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。