第105回 頑張らない働き方って、損ですか?

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第105回 頑張らない働き方って、損ですか?

安田

最近「静かな退職」って言葉を耳にすることが増えました。退職はしないけど頑張りもしない、会社には在籍し続けるけど、必要最低限の労力しか出さず給料をもらうという。


倉橋

ああ、確かに。聞いたことありますね。でもそもそも会社って、社員さんに給料以上に働いてもらわないと成り立たないんですけどね。

安田

そうなんですよ(笑)。でも社員からすると、「20万円しかもらってないのになんで30万円分働かないといけないんですか?」という理屈になるようで。


倉橋

うーん、まぁ価値観は人それぞれですからね。逆に言えば会社側もきちんと考えを提示すべきで。例えば「ここまでやってくれたら昇給します」「この範囲なら安定が得られます」みたいに。

安田

なるほど。条件やルールを提示して、その上で「どう働くかはあなたに任せますよ」というわけですね。


倉橋

ええ。それなのに「とにかく頑張れ」「がむしゃらに頑張れ」としか言わないから問題になる。今は「働き方改革」の時代でもありますし、個人の事情が重視されるようにもなってきているわけで、ある程度の選択肢は必須だと思いますね。

安田

家庭の事情で「転勤できない」とか「どうしても土日は休みたい」とか、それぞれありますもんね。ただいずれにせよ、前提のスタンスとして「給料分しか働かない」ってのはどうなのかなと。


倉橋

そうですねぇ。個人的には「それだと仕事っていうゲームの面白さがわからないのでは?」と思ってしまいます。もったいないんじゃないの? っていう。

安田

ああ、同感です。「人の3倍働けとは言わないけど、2倍くらいやったら面白くなるよ? 成果も出るし給与も上がるし」なんて思います。


倉橋

そうそう。そしてそういう忙しい状況になればなるほど「工夫」が生まれるんですよね。「よし、AIを使って工数を減らす方法を考えよう」とか。

安田

確かに確かに。そういう意味でも、別に全員が出世を目指さなくてもいいけど、少なくとも「仕事に工夫を加える」意識は持っていたほうがいい気がします。そうじゃないとそれこそ「AIより使えない人」になってしまう。


倉橋

そうなんですよね。工夫が必要ない作業ならAIの方がずっと早いし正確なわけで、そういうレイヤーではもう人間が必要なくなりつつあるんですよね。

安田

ええ。だからこそ「仕事は頑張りません」っていうスタンスの人の未来が心配で。だってもうやることなくなっちゃいませんか。

倉橋

うーん、どうなんでしょう(笑)。「頑張らない宣言」してる人なんてネットでしか見たことないので、現実にいるのかなと思ってしまいます(笑)。

安田

そういえば、私もニュースとかでしか見たことないですね。フェイクニュースかもしれない(笑)。でも例えば、大企業で端っこに追いやられて、期待もされず給料だけはそこそこっていう人だったら、そういう気持ちになっちゃうこともあるのかなと。

倉橋

確かになぁ。そういう働き方って、実際あまり面白さは感じにくいでしょうからね。

安田

もったいない気がしますよね。だいぶ人生損しているというか。だって実際問題、人生において仕事以外にやることってあんまりないじゃないですか(笑)。

倉橋

笑。まぁ僕も安田さんも、特に仕事が好きなタイプっていうのはあると思いますけどね。どこかの海辺でボーっと過ごしてても、ほんの数日で仕事したくなっちゃうと思います(笑)。

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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