“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第111回 ブームの終焉から学ぶ、高級食パンの未来予測

今日は以前一世を風靡した「高級食パン」についてお話を聞いてみたいなと。一時期は店も大量にできていて、毎日行列が絶えませんでしたよね。でもブームはあっという間に過ぎ去って、多くの店が閉店に追い込まれた。

僕もあのブームはすごく興味深く見ていましたね。元祖と言われる「乃が美」さんをはじめ、各社すごいなと。

そうなんです。ただギフトの難しさは、同じものを何度も贈れない、という点にあります。特に流行りモノであれば、リピートが起こりにくい。だから「ギフトとして定番化する」というところまではいかなかった。

つまり、普段使いに活路を見出すと。ただそうなると、今度はあのパンの特徴が逆にネックになる気もします。あの特徴的な柔らかさが味わえるのは買ったその日だけですよね。かといって、1斤買ってその日のうちに食べきるのはちょっと大変ですし。

それはそうですね。家族全員で食べたとしても、パンばかり食べるわけにいかないですから(笑)。賞味期限10秒のモンブランとまでは言わなくても、美味しいうちに食べてもらう工夫が必要だと思います。商品のサイズを小さくするというのもその一つの方法でしょう。

確かになぁ。美味しいうちに食べようと思うと、1斤もらってもちょっと困る部分はありましたよね。残ったものを冷凍したり、トーストして食べたりしたら、他のパンと変わらないわけで。夕方に手土産でもらった日には、「今日の夕飯、どうしよう…」となりますよ(笑)。

ただやっぱり、店側としては運営しやすかったんですよね。普通のパン屋さんって品数はめちゃくちゃ多いし、仕込みも重労働なわりにあまり儲からないと言われています。それが食パンしかなければ仕込みも現場のオペレーションも楽だし、人もそんなにいらない。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。